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立花孝志氏 

 

 兵庫県知事選の「百条委員会」から千葉県知事選まで。「NHKから国民を守る党」の党首・立花孝志氏は政界で独自の存在感を放っている。前回の対談では竹中平蔵氏と対談し、大きな反響を呼んだ立花氏。今回はメディアの変化や選挙戦略、財政問題まで幅広いテーマについて語ってもらった——。全3回の第2回。(取材日:2025年3月5日) 

 

——立花さんは資格を持った人だけが発信できる国営SNSを設立提唱しています。SNS上のデマ問題も解決できるでしょうか? 

 

 兵庫県知事選でSNS上のデマを非常に多く感じました。あまりにもひどい内容で、「よくそんなことが書けるな」と思いました。相手側も味方側も、証拠なく「あの人が圧力をかけてテレビに出れない」などと言うのはいけません。 

 

 昔は雑誌などに書く人は、名誉毀損の3要件くらいは知っていて、チェックする人もいました。「これを書いて訴えられたら勝てるか」と考えてから発信していました。しかし今はそういうプロセスなく発信する人が多く、危険だと感じます。 

 

 名誉毀損は人を殴るのと同じです。警察や裁判所で弁明する能力がなければやってはいけないのです。今はどんな人でも気軽に発信でき、名誉棄損ができてしまうため、私は国営プラットフォームが必要だと考えています。また、現在の名誉毀損の賠償金はあまりにも安すぎるので、国営プラットフォームに書き込んだ際の損害賠償額を5倍、10倍にするなどの対策も必要でしょう。 

 

——最近、フジテレビの日枝久氏が経営諮問委員会の委員を辞任されましたが、フジテレビの今後をどう見ていますか? 

 

 細かい株式の動きなどは控えますが、結論から言うと、堀江貴文氏が社長になるでしょう。早ければ4月、遅くとも6月の株主総会までには決まると思います。堀江氏のYouTubeを見る限り、オファーがあれば受けるでしょう。彼は20年前からフジテレビを変えようとしていた人ですから。 

 

 フジテレビが堀江氏の下で変わると、まずスポンサーが変わります。これまでのナショナルスポンサーではなく、電通経由の広告も不要になるでしょう。直接取引で十分です。各社が自分で広告を作ってWeb上に上げ、審査を受けて放送するという形になるかもしれません。AIも活用されるでしょう。 

 

 番組内容も変わります。これまで出れなかった人たち、例えば宮迫博之さんや田代まさしさんなどが出るようになるかもしれません。民放出演NGの人である私も出られるかもしれません。こうしたことでネット上の話題性は格段に上がると思います。 

 

 テレビの視聴率自体は下がり続けるでしょうが、テレビで取り上げられた話題をネット上で深掘りするという流れは続くでしょう。ドラマよりもニュース・報道分野で、有名なタレントやYouTuberを起用し、それが論争を生むという形になっていくと思います。 

 

——他の民放にも影響はありますか? 

 

 大きな影響があるでしょう。堀江氏はすでにガーシーを自分のラジオ局のレギュラーにしていて、放送法に抵触しないことをチェック済みです。他の民放は国内スポンサーの顔色をうかがっていますが、堀江氏はそれに縛られません。 

 

 地方局もフジテレビのネットワークに入りたくなるかもしれません。堀江氏は通信と放送の融合を20年前から提唱しており、そのノウハウを地方局にも広めていくでしょう。スポンサー収入だけでなくサブスクリプションモデルも取り入れ、FOD(フジテレビオンデマンド)の会員数を増やすことにも力を入れるでしょう。彼の支援者やインフルエンサー、芸能人が多く、フジテレビ以外の民放は立ち行かなくなる可能性もあります。 

 

 

——来たる参議院選挙についてはどのような戦略をお持ちですか? 

 

 まだ完全に決まっていませんが、45選挙区全てに候補者を立て、全国比例には最低4人出す方向です。供託金の1億5千万円は確保できています。医者や弁護士といった専門職の人材を揃えるのは難しいかもしれませんが、少なくとも「この人に投票して大丈夫なのか」と思われるような候補者は絶対に出しません。知識があり、当選してもきちんと国会議員を務められるレベルの人を揃えたいと思っています。 

 

 参院選の目的は国政政党への復帰です。そのためには2%の得票率が必要で、45選挙区に候補者を出さないと獲得が難しくなります。前々回に私がやった戦略を参政党も真似していて、今回も同様の動きがあるでしょう。 

 

 私と浜田氏の2人だけでも全国で2%は取れると思いますが、選挙制度上、45選挙区に候補者を立てることで第2投票(比例代表)につながる効果があります。またトータルで10人以上の候補者を立てなければ政治団体として立候補できないという規定もあります。 

 

 今回は「NHK党はまともな政党だ」と知ってもらうことが重要です。将来的に介護難民や医療サービスを受けられない人が出てくるかもしれない「有事」に備え、平時のうちにNHK党が真剣に考えている政党だと評価されるようにしたいのです。 

 

——都議会議員選に向けて、石丸幸人党を立ち上げたとお伺いしました。 

 

 はい。今朝、「石丸幸人党」を立ち上げたばかりです。石丸幸人氏は弁護士であり医師でもある方で、昨年の東京都知事選に立候補し、9万票近く獲得しました。これは石丸伸二氏への対抗措置です。 

 

 石丸伸二氏が政治家として公約も掲げずに活動していることを、私は「ふざけすぎだ」と思っています。特に安芸高田市の市議会議員たちへの対応は、いじめのように私には見えました。選挙ポスター代未払い問題でも敗訴が確定してますし、記者会見での態度にも問題があります。 

 

立花孝志 

 

 

 
 

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