( 278601 ) 2025/03/29 04:27:38 0 00 立憲民主党の辻元清美代表代行(春名中撮影)
石破茂首相は27日の参院予算委員会で、選択的夫婦別姓を巡り立憲民主党の辻元清美氏と議論を交わした。導入反対派による懸念を否定する辻元氏に対し、首相が理解を示す場面が目立った。
辻元氏から反対派の意見についての認識を求められた首相は「家族間で氏が異なるのは本当によいのだろうか、という根源的な疑問がある。家族の一体感、子供への影響などの観点から、いろんな意見がある」と述べた。
「家族の一体感」に関し、辻元氏は内閣府による選択的夫婦別姓に関する中間とりまとめに「最も大切なことは同氏という形式ではなく愛情や思いやり」とあることなどを根拠に、「政府としては決着が付いている」と主張した。首相は「政府の方針を全て決するものではない」と述べた。
■辻元氏指摘に「納得」の首相
次に辻元氏は、海外で別姓によって子供に悪影響が出ている事例があるかを尋ねた。三原じゅん子男女共同参画担当相は「現時点で、夫婦別氏制度を導入することで子供に悪影響があることを証明する情報には接していない」と答えた。辻元氏は国連児童基金(ユニセフ)による報告書で子供の精神的幸福度が38カ国中37位だったと示し、「家族が同氏でないと子どもへの悪影響があるという意見は、根拠としては希薄だ。はっきり言えば根拠にならない」と主張した。首相は「別氏の国の方が、はるかに幸福度はよいではないかというご指摘はその通りだ」と答えた。
さらに辻元氏は「結婚したら氏を統一すべきという一つの価値観に統一しようという風潮が子供の多様な生き方、幸せを妨げている」と持論を展開。「名前は大事だ」としたうえで、出席していた加藤勝信財務相を指して「辻元清美で仕事をしているが、結婚して『加藤清美』になったとする。加藤清美って言われてもピンとこない」と笑いを誘った。「同氏を選びたい人は同氏、別氏を選びたい人は別氏。運用で旧姓の通称使用を選びたい人は、通称が選択できるようにすれば三方よしだ」と強調した。
首相は「おっしゃることに、私なりに納得もする。そうだろうな、というふうに思う」と述べた。一方で「反対論を唱えている人も、本当に真摯に反対を唱えている。そういう制度を作ること自体がどうなのかと根源的な疑問を呈していることに対して、どう答えるかは、かなり難しい」と語った。
辻元氏は4月中に選択的夫婦別姓制度導入に向けた法案を国会に提出する考えを表明。「一緒に国民に、未来を担う若者たちに、責任を果たして行こう」と呼びかけた。
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