( 278851 )  2025/03/30 04:09:40  
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参院予算委員会で答弁する石破茂首相=28日、国会(酒巻俊介撮影) 

 

石破茂首相は28日の参院予算委員会で、外国人によるいわゆる「経営管理ビザ」を悪用した医療費の「タダ乗り」や出産育児一時金50万円の不正受給など、日本の社会保障制度の「抜け穴」を指摘され、「日本人の美徳を逆手に取って悪用することは許されない」と述べ、実態を調べる考えを示した。日本維新の会の柳ケ瀬裕文氏の質問に答えた。 

 

柳ケ瀬氏はまず、経営管理ビザについて「中国では非常に有名で、日本で会社を作れば、高額医療をタダ同然で受けられると宣伝されている。専門の仲介業者もいる」と切り込んだ。「外国人は3カ月の滞在で国民健康保険に加入し、協会健保は会社設立してすぐに加入ができる。高額療養費制度の対象となる。医療目的の外国人が日本の健保にたやすく加入してこれを利用できる。想定外の抜け穴だ。放置しておくと制度の持続可能性を揺るがす」と述べ、是正を求めた。福岡資麿厚生労働相は「実態を把握しながら適正な利用に向けて取り組んでいきたい」と述べるにとどめた。 

 

首相は高額療養費制度に関し制度の持続可能性をたびたび強調してきたが、柳ヶ瀬氏は「こういった抜け穴からまずふさいでほしい」と求めた。 

 

■出産一時金は日本人に限定を 

 

続いて柳ケ瀬氏は、出産した人に公的医療保険から支払われる出産育児一時金が外国人にも支払われる点を疑問視した。海外で出産しても支払われる。柳ケ瀬氏は外国人が虚偽の申請によって一時金をだまし取った例を挙げ、「海外で本当に出産したのか、正確に判断するのは困難だ。中国では偽造出生証明書を安価に取得できるとされていて、悪用が発覚して摘発された事例も知られている」と指摘。「目的は日本の少子化対策だ。しかし、外国人も対象で、外国人の被扶養者も適用される。海外で出産しても適用される。悪用し放題だ」としたうえで、「少子化対策として税金を投入している。政策目的に照らせば、対象を日本人に限定するべきだ」と強調した。 

 

福岡氏は外国人に関し「日本人と同様に要件を満たし、保険料を納めているにも関わらず扱いに差を設けることに合理的な理由があるとはいえない」と否定した。 

 

 

■ハハハ!日本で1年間に15万円を受け取った 

 

新型コロナウイルス禍を受けた10万円の「特別定額給付金」など政府による給付金に関しても議論が交わされた。こちらも国籍要件がなく外国人にも支給された。柳ケ瀬氏は「外国人も納税しているから当然だというのが政府の見解だろうと思うが、果たして本当にそうなのか」と首をかしげた。「今、X(旧ツイッター)で中国人によるものとみられる『ハハハ!日本で1年間に15万円を受け取ってやったぜ』という投稿が話題になっている」として続けた。 

 

「1年目の外国人は本国での前年の所得が日本での課税対象にならないことから、すべての人が住民税非課税になる。どれだけ富裕層でも住民税非課税世帯だ。日本では繰り返し住民税非課税世帯対象の給付金を実施している。来日3カ月で住民票が取れるので、来日3ヶ月で給付金を受け取れてしまう。日本では納税をしていない外国人が住民の権利として給付金は受け取れる。おかしくないか。外国人に対しては1年以上の居住要件を設けるなど、不公正な支給を防ぐような取り組みが必要だ」 

 

加藤勝信財務相は「本当に困った人にピンポイントで早く支給する体制を作っていくために、しっかりと検討していく」と述べた。 

 

首相は「社会連帯と相互扶助の理念を日本人は大切にしてきた。だから外国人も一定の要件を満たせば差別しない、ということでやってきた。そうした日本人の美徳を逆手に取って悪用するようなことはあってはならない」と述べた。そのうえで「そういうことは許さんということは鮮明にしていかないと、この国自体が崩壊する気がしている。よく実態を調べていく」と強調した。 

 

 

 
 

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