( 279999 )  2025/04/03 06:33:13  
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男女のトイレのマークが同じ色で違いがわかりにくくなってきたことについて、多くの人々が困惑している。

新しいデザインはトレンドとなっているが、使いづらさを感じる声もある。

視力が悪い人や高齢者にとって特に混乱を招く可能性があるという意見もある。

一部の人は、古くからの男性用は青色・ズボン、女性用は赤色・スカートといった伝統的なデザインに戻すべきだと訴えている。

施設側も「直感的なわかりやすさ」が重要であるとする声があり、利便性と多様性のバランスを考え直す必要性があるとの指摘もある。

(要約)

( 280001 )  2025/04/03 06:33:13  
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色も同じで男女マークの違いがわかりにくくなってきた?(写真:イメージマート) 

 

 多様性への配慮が叫ばれる昨今、性別による固定観念を取り払う取り組みが広がっている。トイレの入口に掲げられた「マーク」もその一つ。昔ながらの男性用マークは青色でズボン、女性用は赤色でスカートというデザインが定番だが、最近は男女同色で、かつ明確な差がわかりづらいマークを目にすることも多くなった。 

 

 そうした新しいデザインがトレンドになったことで「かえって使いづらくなった」という困惑の声も出ている。SNSでも「おしゃれすぎて男女どっちかわからない」など、たびたび問題視されているが、あらためて、間違えやすいトイレマークの実態とともに、今後マークはどうあるべきか、不便を感じた人たちや店側の声を追った。 

 

 IT企業勤務の30代男性・Aさんは、視力が悪くメガネをかけているが、「見えすぎても頭が痛くなる」という理由から、レンズは視力が0.7ぐらいになるように調節している。そんなAさんは、「同じ色だと男女のマークが認識しづらい」といい、「間違えかけたことが一度や二度ではない」と明かす。 

 

「この間出かけた商業施設では、トイレマークが男女どちらも茶色の地に白い線で描かれていました。パッと見で入ろうとしたら女性が出てきて、あわてて足を止めたのですが、女性用マークのほうのスカートの幅が細いというか、もはや男性用のマークとほぼ同じ幅。下半身部分が大きな三角形の形をしているものが女性、という認識だったので、“幅が細いから男性用だろう”と思い込んでしまったんです。最近は結構間違えます」 

 

 Aさんは、「女子トイレからおじいちゃんが出てきたのを見たこともあります」と言う。 

 

「私は実際に入ってしまう前に気がつきますが、高齢の方だと気づかないパターンもあるようです。視力も悪くなってるだろうし、そんな時代の急激な変化についていけない人もいるだろうし、そりゃそうだなと思いました」(Aさん) 

 

 従来の「男性用は青色・ズボン」「女性は赤色・幅広スカート」ではなく、最近はデザインやシルエットにこだわったマークも少なくない。わかりにくさは、「表記」にも見られるようだ。Aさんが続ける。 

 

「外国の方への配慮もあるとは思うのですが、マークなしでMEN・WOMEN、Gentleman・Ladyという英語表記だけのものもあって、これでは小さな子供はわからないのでは……。マークなんだから、間違えないように認識できてなんぼだと思うのですが、なぜわかりづらい方向にいくのでしょうか」(Aさん) 

 

 

「昔ながらのマークに戻してほしいです」と訴えるのは、メーカー勤務の40代男性・Bさんだ。「切羽詰まっているときにすごく焦ります」と言う。 

 

「パッと判断できなくて、女性トイレの方に向かってしまったことがありました。それがトラウマで今は、『男子トイレ、よし!』と二度見するようになりました」 

 

 Bさんは「ジェンダーフリーも大切」だと前置きしたうえで、「トイレのマークは別問題ではないでしょうか」と指摘する。 

 

「たしかに今は男子が黒いランドセル、女子が赤いランドセルなど、性別による色の決めつけはナンセンスという風潮があると思います。ただ、トイレの場合、女性=赤、男性=青というのは単なる色分けで、“区別”だと思うのですが……。ここまで刷り込まれてきた歴史も長いんだし、気を遣いすぎて不便になっているように思います。 

 

 ジェンダーフリーの流れだとしても、利用者にとってわかりにくければ意味がない。老若男女が使う場所なのだから、男性用は『青』、女性用は『赤』と、統一してもいいのでは」(Bさん) 

 

 トイレを設置する施設側はどうとらえているのか。飲食店の勤務経験がある40代女性・Cさんは、「難しい問題だと思います」と話す。 

 

「4年ほど前、オープン時から勤めていたカフェでは、トイレのマークは男女ともに黒色でデザインもほぼ一緒、人型デザインの肩幅がちょっと違うくらいのものを採用していました。ただ間違えるお客さんが続出し、トラブルが起こってからでは遅いというわけで、ラベルライターで『男』『女』と記載した青と赤のテープを作成し、壁に貼りつけて補足していましたよ。『直感的なわかりやすさも大切』ということを学んだ出来事でした」 

 

 トイレのマークをめぐっては、過去に物議を醸した例がある。愛知県大府市が2000年に市役所などに導入した「男女どちらも便座に座った緑色」のマークだ。「男女共同参画」の視点から男女ともに同じマークを採用し、テキストだけで男女の区別を表記した取り組みは、当時としては先進的だったかもしれないが、賛否両論あり2008年に廃止された。 

 

 今の世の中では、男女平等や性別にとらわれない考え方がさらに広まりつつある。そんなタイミングだからこそ、改めて利便性と多様性のバランスを見つめ直す必要があるのではないだろうか。 

 

 

 
 

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