( 280176 )  2025/04/04 04:33:54  
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杉田水脈氏 

 

 夏の参院選に向けて、自民党が比例区で公認を発表した前衆議院議員・杉田水脈氏をめぐり、波紋が広がっている。2012年の衆院選では、日本維新の会から出馬し初当選。2017年以降は、自民党の比例区で当選、保守層から強い支持を集めていたが、政治資金収支報告書の不記載、いわゆる「裏金問題」で説明をしないまま、昨年の衆院選への出馬を辞退した。野党からは、今回の公認についても猛反発が起きている。 

 

 杉田氏は、過去の発言などについても、多くの批判を浴びてきた。その一つが2018年「新潮45」8月号に掲載した論文の内容。LGBT(性的少数者)に対して「彼ら彼女らは子どもを作らない。つまり『生産性』がない」と記述。これをきっかけに新潮45は、後に休刊することにもなった。「ABEMA Prime」に出演した杉田氏は「生産性がない」という記述について「間違いだった」と謝罪。その上で、自身の言動に配慮がないという指摘にも反省した上で「炎上はしんどい」と本音も吐露した。 

 

杉田水脈氏の発言 

 

 2018年7月、新潮45の8月号に掲載された論文は「『LGBT』支援の度が過ぎる」というタイトル。その中で「LGBTカップルのために税金使うことに賛同得られるか?彼ら彼女らは子どもを作らない。つまり『生産性』がないのです(中略)」と記述した。物議を醸したこの論文だったが、新潮45は2カ月後の9月に発刊した10月号で「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特別企画で反論。これが新潮社書籍の不買運動や看板落書きなどの事態を招き、新潮45は休刊を発表。今年3月、杉田氏は、論文の一部を「切り取られた」と説明し、ホームページで全文を公開した。 

 

 杉田氏は、改めて論文の主旨について「税金の使い道を述べた文章だった。『生産性がない』という言葉を使ったことについては、書いた当時から不適切であったということで、傷ついた方がいらっしゃるのであれば、本当に申し訳なかったと、そのように自分の方で説明はしてきた」と語った。その上で、LGBTに対して差別的な意図を持って使った言葉ではないとし「全文を読んで、LGBTを差別していないと勇気を持ったという当事者の方もいた」と主張した。 

 

 2ちゃんねる創設者のひろゆき氏からは「気になるのは(LGBTだと)子どもが産めないと言ったらわかりやすい。なぜ生産性という言葉に言い換えたのかがわからない。経済でいうと『生産性』は利益率とかも含む。人としての価値という意味を含む言葉になんで言い換えたのか。その人の価値がないと聞こえてしまう」と指摘が入ると、杉田氏は「その言葉を選んだのは、私は間違いだった。要するに『人口』について、そういう形で使った」と謝罪した。 

 

 政治学者で高千穂大学教授の五野井郁夫氏からも、再度指摘が入った。「やはり国会議員は、国民に対して幸福を願わなければいけない。その中で『生産性がない』と言われた人は傷つく。確かに政府の言葉では『人口の再生産』という表現をする。ただ、それをあまり馴染みがない方々が聞いたらどう思うか」。 

 

 

杉田水脈氏と薄井シンシア氏 

 

 杉田氏は、この論文掲載の2年前、2016年には国連会議の際の発言が後に人権侵犯だと認定されたことがある。実業家の薄井シンシア氏からは「Xなどを見ていてすごく感じたのが、炎上しているのが、この人の考え方なのか。わざと炎上させて注目を浴びたいのかということ。言い方が、人に対しての配慮がない。私の政治家の定義は、人のためにする仕事。人に対して配慮できない人が、本当にいい政治家になれるのか、国民のことを考えてくれる政治家なのか」と述べた。 

 

 これに杉田氏は「私もよく炎上系と言われ、わざと炎上しているのではと言われるが、炎上したいと思って書いたり、わざとそういう言葉をチョイスしたことはない」と否定。「やっぱり炎上するのはしんどいし、炎上なんかしたくない。言葉は言霊。国民のみなさまから叩かれたり、SNSで罵詈雑言が来るのは本当にしんどい」と本音を吐露し、その上で「いつも暴言を言っているように思われているが、ほとんどはしゃべった言葉ではなく書いた言葉。配慮が足りないという風におっしゃられるのであれば、そこは率直に私自身が反省しなければいけないところ」と述べた。  

 

 保守派である杉田氏の発言は、各種メディアにも取り上げられ、時に物議を醸すことになるが、ネット上では「総理も必要な人材だと思ったから公認した」「信頼できる保守政治家で、対トランプという視点からも、当選してほしい」と、熱心な支持者も抱えている。「私自身、政治家は代弁者であると思っている。私の考え、言い方には言葉が足りないところもあるし、配慮が欠けるところもあるが、私の考えを支持してくださる方もいらっしゃる。その方々の代弁者となるのが政治家の役割」とも語っていた。 

(『ABEMA Prime』より) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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