( 280636 ) 2025/04/06 03:22:50 0 00 TBS NEWS DIG Powered by JNN
兵庫県政の問題を追及する県議らに、大量の脅迫メールが送られています。攻撃は県職員にも向かっていて、顔写真や住所までネットでさらされる深刻な事態になっています。実態を取材しました。
■百条委員会の奥谷元委員長にも脅迫メール 1日で1700件超
混乱が続く兵庫県で、また新たな問題が浮上した。
ジャーナリストの菅野完氏に大量の脅迫メールが届いた。殺害を予告する内容で1分に1回、メールの件数は8000件を超える。
斎藤知事のパワハラなどを調査した百条委員会の奥谷元委員長も、同様の被害を受けている。脅迫メールの数は1日で1700件を超えた。自宅兼事務所の住所まで記されていた。
さらに脅迫メールは、元百条委員の丸尾県議にも。
丸尾牧 県議 「『お前もとっとと自殺しろよゴミ野郎』ということで書かれてまして。まさしく言論弾圧ですね。脅し・あるいは誹謗中傷にあたるようなことについては、しっかり考えていただいて、やめていただきたいなと思いますね」
■「実名も自宅の住所も晒された」攻撃の対象は県職員にまで広がる
2025年2月、兵庫県庁の前には自殺した竹内英明元県議と元県民局長へ、追悼の文字が掲げられていた。ろうそくが灯され、訪れた人が2人を偲んだ。
同じ日、斎藤県政を問う集会が開かれた。特定されると誹謗中傷のおそれがあるとして、参加者の顔を写さないよう、撮影には配慮が求められた。
取材に応じた参加者はこのように話した。
集会に参加した人 「たくさんの命が犠牲になられたこともそうだし、百条委員会の方たちにいろんな嫌がらせをしていたり、分断も嫌だし、なんせ早く落ち着いて欲しい」
集会に参加した人 「最初は怒りだったんですけど、竹内議員が亡くなって、絶対にこれは許してはいけないと思いました」
この集会から1か月あまりがたった今、攻撃の対象は県職員にまで広がっている。
県の幹部職員だったOBが取材に応じた。このOBは斎藤県政を批判し、改善の必要性を訴えていた。ネット上の攻撃は誹謗中傷にとどまらなかった。
県職員OB 「実名を挙げられてますし、自宅の住所も晒されました。我々OBの人間は、いち民間人といいますか、あくまでも私人なんで。そういう人たちについて、いちいち実名をあげつらってありもしないことを、たくさん尾ひれはひれつけてネット上にさらすというのは、完全に人権侵害」
顔写真や個人名が晒される行為は現役職員にも及んでいる。
県職員OB 「いま県庁の中で起きていることが、自分の中では全く納得がいかない状態なので。本当に現職でいる職員のことだけです、心配なのは」
ネット上の書き込みは、なるべく目にしないようにしているというが…
県職員OB 「全くありもしないことを勝手に捏造されて、気分的に鬱々しますね。ネットの世界で、死に追いやられるということはあるじゃないですか。自分だけはそこには行かないようにはしたいなと思ってますけど」
悪質な書き込みには法的手段にでる準備を進めていると話した。問題はネット上にとどまらない。
■「僕の名誉棄損罪やってるんですよ!」ライブ配信中に現れた立花氏…「言葉として表現できない恐ろしさ」
大阪市内の事務所からYouTube配信を続ける、元アナウンサーの子守康範氏。
子守康範 氏 「その攻撃力、爆破力たるや、普通の人の精神を破壊し、場合によっては命を落とすというところまで確実に行くだろうと」
兵庫県の公益通報の問題を発信し続けてきた。その中で触れたのが、立花孝志氏の選挙についての過去の発言だ。
立花孝志 氏(2022年 YouTube対談で) 「言い方はっきり言うけど、バカな人達をどうやってうまく利用するか」「この国の国民って、政治の問題、ウクライナの戦争の問題とかよりも、芸能人の下ネタのが好きなのよ」「そこに首突っ込むしかないのよ。この人たちに票をもらわなきゃいけない」
子守氏は、この発言を紹介し…
子守康範 氏 「ああ、なるほどね、と。だから下ネタ好きなんやと。下ネタ好きな人に、下ネタの撒き餌をしてはんのやわと。そこはもう、なんかすごくつながってきますよね」
この日の配信に、立花氏は…
立花孝志 氏(立花氏のYouTubeライブより) 「こいつ、ほんまとんでもないね、こいつ。でたらめばっか言って。みんなこいつの、ここ行ってさ、コメントいっぱい書いてきてよ」
それだけでは済まなかった。配信が終わりにさしかかった頃――
立花氏「ここで聞いてていい?」 子守氏「聞いていただくのは結構ですが」 立花氏「話しようよ。人の名前使ってやってるんやから。嫌なん?」 子守氏「嫌です」 立花氏「嫌なん?じゃここでやるわ、この人はこんな感じや。警察呼ぶで」
このとき、立花氏もライブ配信をしていた。
立花孝志 氏(立花氏のYouTubeライブより) 「ちょっと110番してもらっていいですか?この人に嘘つかれてるんで、こうやって逃げるんですよ。僕の名誉棄損罪やってるんですよ今!」 「迷惑なん、ここの人やからね!覚えといて、おばちゃん。確かに大きな声、迷惑やな。そやけど、迷惑なことしてんの、てんこもりスタジオの子守とかいう」
兵庫県知事選に出ていた立花氏。1時間以上、“嘘をばらまくのは公職選挙法違反“と主張し続けた。
子守康範 氏 「その段階で、ネット上ではいわゆる炎上しているわけですね。立花さんと話をしろと、出てこいと、もうびっくりするほど長い書き込みが続くわけです。外では騒いでいる、警察も来ている、スマホで見たら、私を批判するコメントがずっと続くわけです。
元アナウンサーとして非常に忸怩たる部分ですけれども、言葉として表現できない恐ろしさなんですよ。頭というよりも、お腹の辺りがゾワゾワするような攻撃が、間断なく続くっていうことですね」
翌日、立花氏は街頭演説と言って、百条委の奥谷元委員長の自宅兼事務所に向かった。
子守康範 氏 「要はフラグを立てられる、旗を立てられたらもうおしまいなんですね、ある意味。だから、みんなおとなしくするんだと思うんです。それはもうよくわかります。旗立てられたら困りますもん。経済的損失があることもわかるわけだし、家族が分断されることもわかっているので、だからみんな、カメのように首をすくめるしかないんですよ」
――そうやって人を黙らせているっていう? 子守康範 氏 「そこです。一般の人がそこに乗っかってくることで簡単に人は死にますよ、と。そんな世の中でいいんですか?っていう話を私はしたいですし、し続けているつもりです」
■“10万円の懸賞金”立花氏の呼びかけで自宅に2人の男性が…恐怖語る「明確に嫌がらせのため」
立花氏を長年取材し、批判する記事を書いている、選挙ウォッチャーちだい氏。記事をめぐって立花氏側から様々な裁判を起こされてきた。
2020年、ちだい氏がブログに書いた10本で1320円の有料記事。
選挙ウォッチャーちだい氏 「(記事は)10本保証だったのですが、そのうちの1回に、ネタ回と言いますか、楽しませるために書いた記事がありまして」
この1本の記事について、立花氏は購読料をだまし取られたとしてYouTubeでこう呼びかけた。
立花孝志氏 「選挙ウォッチャーを名乗っている『ちだい』というのは、もう明らかに逃亡を企ててます。おそらく、自宅にいるとは思うんですが、ちょっと彼を見つけたらカメラを構えて、立花さんが言っている詐欺罪についてどう思いますかと、ちょっと映像を撮ってほしい。この映像を撮っていただいた方には、少なくとも10万円。現金で振り込みさせていただきます」
その日のうちに、ちだい氏の自宅付近に2人の男性が現れた。自家用車に乗っていたちだい氏を見つけ、2人は立花氏と電話をつなぎながらスマホで撮影し続けた。
ちだい氏 「何の用ですか」
ちだい氏の自宅に来た男性 「立花さんからお話聞いたが、詐欺の容疑で?」
ちだい氏 「詐欺じゃないです」
ちだい氏の自宅に来た男性 「詐欺じゃない?」
ちだい氏 「詐欺じゃないですよ」
ちだい氏の自宅に来た男性 「いま立花さんと電話つながってますけど、よければ、電話していただけないですか」
ちだい氏 「あっじゃあ警察をいま呼びましたので。警察と一緒に話しましょう」
電話口の立花孝志氏 「じゃあ、警察来るまで待ちましょうか」
ちだい氏 「僕の家まで、10万円の懸賞金で来たのですか」
電話口の立花孝志氏 「そうですって。はい」
ちだい氏はこのときの恐怖をこう話す。
選挙ウォッチャーちだい氏 「これは明確に、嫌がらせのためにやっているわけですから、それはやはり恐怖ですし、対処のしようが難しい。私の家族や、あるいは近所に住む方。そういった方も、やはり怖い思いをするんです。
これは奥谷さんとか、他の県議の方もそうですが、家をさらして、ここの家に攻撃するんですよというメッセージ、あるいは住所も平気でさらしていきます。これも厄介なことですね」
|
![]() |