( 281921 )  2025/04/11 03:46:02  
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自民党 

 

与党が、物価高やトランプ米政権の関税措置を受けた経済対策として、国民への現金給付を実施するよう政府に対し要求を強めている。自民党内には所得制限なしで3万~5万円程度を給付する案が浮上しており、公明党からは上積みや減税を求める声もあがる。夏に参院選を控え、政権浮揚を図る狙いもあるが、政府内には慎重論も強い。米国が「相互関税」を一時停止したことで、機運がしぼむ可能性もある。 

 

公明党の斉藤鉄夫代表は10日の党会合で「減税を前提とした現金還付(給付)が必要だ」と述べ、政府に経済対策の早期取りまとめを求めた。公明内には、自民が3万~5万円程度で検討しているのに対し「それでは弱い」(幹部)として、10万円程度の給付を訴える意見がある。 

 

自民の小野寺五典政調会長は党本部で、米側との関税交渉を担う赤沢亮正経済再生担当相と面会し、対応を協議した。 

 

自民幹部は公明や参院自民が主張する減税に否定的な考えを示し、「スピーディーにやるには現金給付しかない」と話す。 

 

ただ、現金給付にも懐疑的な見方は少なくない。令和2年に新型コロナウイルス禍で国民一律10万円を給付した際は多くが貯蓄に回り、消費刺激効果に乏しいと指摘された。下落傾向にある石破茂内閣の支持率上昇に寄与するかも見通せない。自民内からも「ばらまきだ」(重鎮)との批判があがる。 

 

国民に3万円以上を給付する場合、数兆円規模の財源が必要で補正予算を組まなくてはならないが、政府は現時点では後ろ向きだ。林芳正官房長官は10日の記者会見で「政府として補正予算の編成を検討している事実はない」と強調した。 

 

一方、トランプ大統領が、相互関税の一部を90日間停止すると発表したことで、与党からの歳出圧力が弱まる可能性もある。政府高官は「検討期間の幅が延びた」として、関税措置による影響などを慎重に見極める構えを見せる。(小沢慶太) 

 

 

 
 

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