( 282271 )  2025/04/12 05:09:38  
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 先週(4月4日)初めて開示された森友関連文書が、一部の期間で欠落していると見られることが明らかになった。文書の右上に手書きで記された時系列と見られる番号が4つ続けて欠落している期間があり、ちょうど時の首相の妻、安倍昭恵氏が森友学園の理事長夫妻と一緒に写ったスリーショット写真が近畿財務局に示された前後の期間にあたることから、意図的な抜き取りの疑いを指摘する声も出ている。 

 

2000枚以上の開示文書 

 

 財務省が森友学園に国有地を8億円余も値引きして売却したいわゆる森友事件を巡っては、安倍昭恵氏が名誉校長だったことから安倍晋三首相(当時)が国会で追及され、「私や妻が関わっていたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁。その後、財務省は取引文書から昭恵氏の名前を消すなどの改ざんを始め、改ざんを命じられた近畿財務局の赤木俊夫さんが命を絶った。妻の赤木雅子さんは、当時の捜査で財務省が検察に任意提出した関連文書の開示を求め、石破茂首相の決断で勝訴が確定。第1弾として4月4日、森友学園との土地取引に関する文書2255枚が開示された。 

 

 文書は時系列がバラバラになっているが、右肩に手書きで記されている番号がほぼ時系列であることがわかった。そこで文書をこの番号順に並べ直したところ、一部に番号が欠落している期間があることが明らかになった。例えば2014年4月18日の文書には右上に手書きで「45」番と記されているが、そこから文書のない空白の期間が23日間続き、次の文書は5月12日で番号は「51」番、5月13日の文書は順番がさかのぼって「50」番となっている。この間の「46」番から「49」番まで4つの文書が欠落していることになる。 

 

 この期間は、森友学園の籠池泰典理事長(当時)夫妻が安倍昭恵氏とともに問題の国有地の前で撮った「スリーショット写真」を、近畿財務局の担当者に示した「2014年4月28日」が含まれている。この後、財務局の対応が劇的に良くなったことから籠池氏は「神風が吹いた」と表現したが、この日の応接記録はこれまで公表されていないうえ、今回の開示文書にもなかった。この期間に不自然な形で4つの文書が欠落していることがわかったことで、意図的な抜き取りの疑いを指摘する声も出ている。 

 

 これについて財務省は取材に対し、「捜査機関の活動内容に関わることについては、お答えを差し控えます。行政文書の開示に際しては、情報公開法等のルールに則って対応しております」という見解を示した。しかし、こちらが指摘した「番号の欠落」や「抜き取りの疑い」についてはまったくコメントせず、否定もしなかった。 

 

 開示請求をした赤木雅子さんの弁護団は、番号が欠落している理由を説明するよう、週明けにも財務省に見解を求めることにしている。 

 

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 現在配信中の 「週刊文春 電子版」 ならびに4月10日(木)発売の「週刊文春」では、フリー記者・相澤冬樹氏による『森友文書開示「空白の23日」が証明した昭恵夫人の神風』を掲載。開示文書が浮き彫りにした様々な問題について、より詳しくレポートしている。 

 

相澤 冬樹/週刊文春 電子版オリジナル 

 

 

 
 

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