( 282291 )  2025/04/12 05:32:41  
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財務省 

 

トランプ米政権の関税措置や物価高の対策として消費税減税や現金給付を求める与野党の動きに財務省は神経をとがらせている。特に消費税は社会保障の貴重な財源のため手を付けることには慎重だ。手取りを増やす施策を実施するなら「現金給付で収めたい」という思惑も透けてみえる。 

 

加藤勝信財務相は11日の閣議後記者会見で「消費税の引き下げを図ることは適当ではないと石破茂首相が国会で答弁している」と述べ、減税に否定的な考えを示した。 

 

消費税は景気や人口構成の変化に左右されにくく社会保障の安定財源となっている。令和7年度の税収見込みは24・9兆円に上る。財務省幹部は「消費税は一度減税すると元に戻すのが難しい」と語る。実現するにしても来年度になると想定される。法改正に加え、レジの改修など事業者の対応も不可欠だ。 

 

一方、現金給付なら迅速に国民に届けることができる。自民党内では一律5万円を給付する案が浮上する。新型コロナウイルス禍の際に家計支援策として実施した一律10万円の特別定額給付金は、総額12・8兆円の予算を計上。5万円の給付を実施する場合、6兆円規模が必要となる。 

 

参院選を前に与野党から歳出圧力が一段と高まることも予想され、国債の増発懸念もくすぶる。財政健全化とのバランスも重要で悩ましい展開が続く。(米沢文) 

 

 

 
 

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