( 282666 ) 2025/04/13 06:51:19 0 00 米ホワイトハウスで記者会見するドナルド・トランプ大統領=2025年1月30日、秋山信一撮影
11日のニューヨーク(NY)債券市場で米国債が売られ、長期金利の指標となる10年物の金利が4・49%に上昇した。米ブルームバーグ通信によると、週間ベースでの金利上昇幅は0・5ポイントを超え、米同時多発テロで米国債が売られた2001年以来24年ぶりの大きさ。トランプ関税を受け、投資家の「米国売り」が進む展開となっている。
前週末の10年物国債の金利は4%を下回る水準だった。だが、5日にトランプ政権が全ての貿易相手国に対する一律10%の関税を発動すると、NY市場では米国債の売り注文が増加し、長期金利が上昇(価格は下落)した。
トランプ政権が9日に約60カ国・地域に対する「相互関税」の上乗せを発動したことで、長期金利は更に上昇。トランプ大統領は半日後に中国を除く国・地域に対し上乗せの一時停止を発表したが、米国債売りは収まらなかった。
トランプ関税で世界経済の先行き不安が強まっており、通常であれば「安全資産」の代表格である米国債は買われる。だが、今回は投資家の強い反対にもかかわらず関税引き上げを強行するトランプ政権に対し市場の不信感が強まっており、従来とは逆に、米国から資金が逃げ出す異例の展開となっている。
ホワイトハウスのレビット大統領報道官は11日の記者会見で、「ベッセント財務長官が債券市場を注視し続けている」と述べた。
外国為替市場でもドルは主要通貨に対し下落し、円やスイスフランなどに資金が集まっている。【ワシントン大久保渉】
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