( 284411 ) 2025/04/20 04:12:33 0 00 政府備蓄米の流通状況
農水省は18日、政府備蓄米の流通状況に関する調査結果を初めて公表した。3月30日までの流通状況をまとめたもので、JA全農やJA福井県などの集荷業者が、卸売業者に販売する段階で上乗せされた金額は60キロ当たり1050円(税別)。卸売業者の段階で上乗せされた金額の10分の1以下だった。米の流通不足解消に向け、JAが必要経費だけを加えた利益なしの価格で販売していることが裏付けられた。
備蓄米は、全農など大手集荷業者に入札方式で販売された後、卸売業者を経て、小売業者や中・外食事業者など実需に供給される。
備蓄米放出が始まったが、米の価格は高止まりし、集荷業者が原因だとする見方が一部にある。江藤拓農相は18日の会見で、集荷業者について「運送経費だけを加え、利益を(価格に)乗せていないことは数字の上でも明らか」と述べ、こうした見方を否定した。
同省は集荷業者に対し、(1)卸売業者への販売量・価格(2)販売先の卸売業者から実需への販売量・価格--を2週間に1回、報告するよう義務付けている。今回は報告をもとに、3月30日時点の流通状況を集計し公表した。
それによると、集荷業者は2万1352円(60キロ当たり、税別)で仕入れ、2万2402円(同)で卸売業者に販売していた。
一方、卸売業者からは小売りに3万4114円(同)、中・外食事業者に3万2920円(同)で販売。卸売段階での上乗せ額は、それぞれ1万1712円、1万518円となる。集荷段階の10倍以上だが、同省によると、精米や袋詰めに費用がかかるため通常の水準という。
小売りの仕入れ価格を5キロ当たりの税込み価格に換算すると3070円となった。
3月30日までに国から集荷業者に引き渡されたのは4071トン。3月10~12日の初回入札での落札分のうち、3%にとどまった。
日本農業新聞
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