( 284994 )  2025/04/22 05:03:30  
00

立憲民主党の小沼巧議員は、日米の自動車関税に関する質疑で、日本政府の立場を追及しました。

石破総理は整合性に懸念を持っていると答え、小沼議員は日米貿易協定違反の認識を求めましたが、石破総理は回答を避けました。

小沼議員は、日本政府がアメリカの措置を違反と認識できないのか、と問い続けましたが、石破総理は重大な懸念を持っていると述べ、交渉が進むとして意見を一致させる必要があると語りました。

(要約)

( 284996 )  2025/04/22 05:03:30  
00

立憲民主党の小沼巧議員 

 

 21日、参議院予算委員会にて、立憲民主党の小沼巧議員が「日米の自動車関税」について石破総理と岩屋大臣に質問した。 

 

 小沼議員は「今回の自動車関税は日米貿易協定に違反していると日本政府は認識するか否か?」と質問。 

 

 これに対し岩屋外務大臣は「これも累次にわたって答えてきているが、今般の米国の措置は、日米貿易協定との整合性に我々としては『深刻な懸念を有している』ということだ」と回答。 

 

 小沼議員は「同じ答弁はいらんのですよ。『深刻な懸念を有している』ということは『違反である』とは言い切らないということでだ。更問いをする。なぜ違反であると日本政府は言い切れないのか?」と追及。 

 

 岩屋外務大臣は「日米貿易協定上は、この自動車関税については引き続き協議をしようということになっているが、これが今日まで進まない中で今般の措置が示されたということだ。したがって、交渉しなければならないということで、交渉がこれからスタートする。一連の経過を見た上で評価をする必要がある」と答えた。 

 

 小沼議員は納得いかない様子で「立憲民主党は『自動車及び自動車部品の関税撤廃がなされるのだ』という前提を持った上で今議論をしている。しかし、今の外務大臣の答弁からすると、関税撤廃が日米の合意事項なのだという前提そのものが崩壊してしまう。だとするならば、“協定違反と言えない”ということも、政府の説明としては一応ロジックは通るかもしれない。とするならば、改めて日米貿易協定の2019年の時に振り返ってみなければいけないと思う」として日米貿易協定の日米合意、自動車及び自動車関税の撤廃についての交渉の議事録の一部公開を求めた。 

 

 だが石破総理は「外交のやり取りについての議事録を公開することが、これからの交渉にとってプラスになると私は考えていない」とした。 

 

 小沼議員は「そうすると、そもそも日米の間で自動車及び自動車部品の関税を撤廃するということを前提として我々は共有できないことになると思う。その理解をするしかないのか?」と質問。 

 

 石破総理は「私どもとして、日米貿易協定の整合性に非常に問題があるということは常に問題提起はしている。向こうが『恐れ入りました。その通りでございます』だったらそこでおしまいだが、そうはならない。ということで、じゃあ向こうは一体どういう問題意識で、整合性というものについてどういう見解を持っているのかについて今ここで明らかにすることが今後の交渉に有利に働くとは考えられない」と述べた。 

 

 小沼議員はさらに「なんでそもそも“交渉”になってるのかはやっぱり疑問だ。『そうはならない』という総理の答弁も分からなくはないが我々の前提としている解釈としては、そもそも交渉する以前に協定違反という事実認定を我が国政府はできるのか、できないのか? できないとするならばなぜなのかという政府の交渉の前段階の認識・解釈を答えてほしい」と訴えた。 

 

 石破総理は「解釈は、我が国として国会で累次答弁をしておるような解釈を持っている。我々がそう思っているわけだが向こうは協定の一方の当事者として、じゃあその点どう考えてるんだいということについて向こうの意見もある。それについて、『こんなやり取りがございました』ということをつまびらかにすることが今後の交渉において有利に働くとは考えていない。要は、いかにしてこの交渉を我々の思いに符合するような形でまとめるかということについて、プラスかマイナスかということを申し上げている」と答えた。 

 

 だが、小沼議員は「交渉の云々かんぬんというところはまだ聞いてない」とバッサリ。 

 

 続けて「そもそもなぜ交渉ということになっているのかの前提を聞いている。もう1回確認させてほしい。私は、今までの議論の前提をすると、日米貿易協定違反だと政府は考えて、解釈で然るべきだと思うという理解だが、改めて確認させてほしい」と聞いた。 

 

 石破総理は「整合性について重大な懸念を持っている」と述べた。 

 

 小沼議員は「ということは、政府としては、日米貿易協定違反だとは言い切れる材料が今ないのだと、言い切れないのだという解釈か?」と確認。 

 

 石破総理は「そのようなことは申し上げていない。それは、我が国として、この協定についての解釈というものははっきりしたものがある。我々はそのように考えるからこそ『重大な懸念を持っている』ということを申し上げている。意味するところは(小沼)委員がおっしゃることとそんなに合わないわけではない」と回答。 

 

 これには議場内でも笑いが。 

 

 小沼議員も笑顔になりながら「いや、曖昧だから聞いている。それはわかってください。前提として、アメリカのこの措置は貿易協定違反だと日本政府は認識できるという理解か?」と念押しした。 

 

 石破総理は「協定とか、条約とか、そういうものの解釈というのは当事国がするものだ」と述べた。 

 

 小沼議員は笑顔のまま呆れたような表情で「なんか答えねえなっつう話。別にWTOに提訴して裁判が確定するまで待つ必要はない。なぜ交渉が起こるかというのは、互いの立場の認識の違いがあるからだと思う。自動車に関する協定については、日本政府は少なくとも協定違反だと言い切らなければ、今までの国会の含めた議論というものの前提がおかしくなると思う。もう1回最後にしつこいようだが、日本政府は、自動車・自動車部品に限ってこのアメリカの措置について貿易協定違反だと断言できないのか?」と聞いた。 

 

 石破総理は「整合性に重大な懸念を持っておるということだ。そこは(小沼)委員も行政官をお務めでしたから、そういうような日本が言い回しをするということ。つまり、協定についてどう解釈するかということは我が国として確定した考え方がある。そうであればこそ『重大な懸念を有している』ということを申し上げてるわけで、これから先いろんな交渉が進んでいくわけだが、私どもとしてその立場に変わりはない」と答えた。 

(ABEMA NEWS) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

IMAGE