( 286591 )  2025/04/28 03:05:18  
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大田朝山インターチェンジの「×逆走×」と書かれた標識=島根県大田市で2024年7月27日午前9時58分、目野創撮影 

 

 4月26日、栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で、逆走した車が複数の車と衝突事故を起こし、2人が死亡した。 

 

 高速道路の逆走は毎年、全国で200件ほど発生しており、このうち約2割が何らかの事故につながっている。重大な結果を招きかねない逆走はなぜ、どこで起きているのだろう。 

 

 国土交通省の調査によると、2023年は39件の逆走事故があり、うち8件は当事者が死亡するなどの重大事故だった。 

 

 23年の逆走事案を運転手の年代別にみると、65歳以上が約7割を占める。逆走による事故も65歳以上が約6割に上り、例年、高齢者が多い傾向がある。 

 

 また、逆走の発生場所では、高速のインターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)などの「分合流部・出入り口部」で最も起きやすく、次いで直線やカーブなどの「単路部」や、料金所の前後も多かった。 

 

 危険な逆走はなぜ起きるのか。最も多いのは、誤って一般道から高速に進入し、結果的に逆走してしまうなどの過失によるものだ。高速の出入り口には道路標識や路面標示があるが、他のことに気を取られていると判断ミスを招く。 

 

 一方、意図的な逆走もある。目的のICを通り過ぎたり、分岐を間違えたりして、本来のルートに戻ろうとして故意に逆走するケースだ。 

 

 さらに高齢ドライバーにみられるのが、認知能力の低下による逆走。認知症などで、自分が逆走していることに気づいていない場合だ。同乗者が止めない限り、長い距離を逆走し続けて重大な事故を引き起こす危険を伴う。 

 

 発生要因別にみると、認知症による逆走は約3割で、増加傾向にあるという。 

 

 逆走している車を目撃したら、どうすればいいのか。警察庁によると、逆走車は自分から見て最も右の車線(追い越し車線)を走ってくることが多いので、最も左側の車線を走る方が安全という。 

 

 警察庁は、逆走車を発見したらスピードを落として路肩などに停車し、安全な場所から通報するよう呼び掛けている。【最上和喜】 

 

 

 
 

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