( 286616 )  2025/04/28 03:34:37  
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Photo: Adobe Stock 

 

 「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して著者である、びーやま氏への特別インタビューをお届けします。 

 

● Fラン大学に進学するなら高卒のほうがマシ? 

 

 ――最近、「偏差値の低い大学に行くくらいなら高卒のほうがいい」という議論がよくされています。びーやまさんはこの比較についてどう思われますか? 

 

 びーやま氏(以下:びーやま):「偏差値が低い」というのをどこまで指すのかにもよりますが、中途半端に大学進学するくらいなら高卒のほうがいいという意見には賛成です。 

 

 これは、偏差値の低い大学に価値がないということではなく、そういった大学に行く学生はあまりにも意識が低いことが多いため、大学に行くメリットを享受することができていないからです。 

 

 ――どういうことでしょうか。詳しくお聞かせください。 

 

 びーやま:今の時代、選ばなければ誰でも大学には入れるようになりました。残念ながら「BF(ボーダーフリー)」と言って、偏差値がない定員割れ状態の大学も存在しますから、誇張ではなく大学全入時代と言えます。かつて学生が多かった時代と比べて、状況はがらっと変わりました。 

 

 そのせいもあり、「勉強が大して好きでもないのに、なんとなく大学に行く」という学生が急激に増えました。 

 

 その結果、勉強をしてこなかった学生が、受験でもまったく頑張らず、簡単に大学に入れるようになりました。これのどこに意味があるのでしょうか。 

 

 大学とは本来学問を学ぶ場です。勉強が好きでもない、やりたいこともない人が遊ぶ期間を延長するために行くところではありません。 

 

 加えて、そういった大学は就職でも「学歴フィルター」に間違いなく引っ掛かりますから、大卒であることのアドバンテージも残念ながらあまりないでしょう。 

 

 

● 大学に行くからには「本気」を見せろ 

 

 ――なかなか手厳しいですね。 

 

 びーやま:そうかもしれないですね。ただ、これまで僕も何度か「Fラン大」と呼ばれる大学の学生にインタビューを行ってきましたが、あまりにも無気力であることが多いと感じています。「やりたいこと? ないです」「勉強? 好きじゃないです」「大学? なんとなくきました」などのスタンスなのであれば、10〜20代の大事な時間を過ごすにはあまりにももったいないと思います。 

 

 もちろん、なかにはやる気のある生徒もいますが、かなり少数ですし、そういった学力以外の別の事情で進学先を選んだりしていることがほとんどです。 

 

 早慶やMARCH、日東駒専など、知名度のある大学に通っている学生は、やはりそれなりに勉強をし、自分の将来も考えて行動しています。しかし、名前もあまり知られていない大学の学生は「特にやりたいこともないんで、とりあえず大学きました」というのが多すぎる印象です。 

 

 そんなスタンスなのであれば、無理して大学に行く必要はありません。大学進学ではなく専門学校や就職などの道を検討したほうがいいでしょう。 

 

 ――なるほど。進学のモチベーションが低いのがよくないということなんですね。 

 

 びーやま:そうです。なので、本人が勉強を頑張って進学を決意した大学なのであれば、それはどんな大学でも進学したほうがいいと思います。 

 

 ただ、本気で勉強を頑張れる人は先ほど名前をあげたような大学に受かっていきますから、これに関してはむずかしいところです。 

 

 ――たしかに、そもそもやる気のある学生は勉強もしますし、上のレベルに受かっていきそうですね。その意味では受験においての偏差値は重要ということでしょうか。 

 

 びーやま:非常に重要だと思います。「偏差値は悪!」みたいな風潮がありますが、「本当に大学でやりたいことがあるのなら偏差値の壁くらいは突破しないと」と僕は思います。 

 

 大人であれば誰もが納得するでしょうが、大した結果もなしに「やりたいこと」を実現するのは社会では不可能です。 

 

 受験も同じで、決められた科目、決められた範囲からしか問題はでないわけですから、大学で学びたいのならその本気を見せる必要があります。そのわかりやすい指標が偏差値です。 

 

 「僕は大学でたくさん勉強したいんです!」と偏差値30の人に言われても説得力に欠けますが、偏差値60の人が言ったら、それは本気であると誰もが思うでしょう。 

 

 繰り返しになりますが、「大学は行かなくてもいいところ」です。そんなところに「わざわざ」高いお金と4年間という時間をかけて行くわけですから、「やりたいこともない」「勉強もしない」のであればやめましょう。 

 

 誰もが大学に行ける時代になったからこそ、大学に行く意味は問われていると思います。 

 

びーやま[著] 

教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。 

 

高田ふーみん[協力] 

教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。 

 

びーやま 

 

 

 
 

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