( 286931 )  2025/04/29 04:36:50  
00

立憲民主党の野田佳彦代表 

 

物価高やトランプ関税への対応として、自民党を除く主要与野党が消費税減税を目指す方針を相次ぎ打ち出している。夏の参院選を前に各党が減税一色となり、自民党内にも参院側で減税論が広がってきた。だが、党執行部は慎重姿勢を崩しておらず、党内に亀裂が生じる可能性がある。 

 

立憲民主党の野田佳彦代表は、党内の一部慎重論を抑え、食料品の消費税率を時限的に0%とする案を参院選の公約に盛り込むことを決断した。野田氏は民主党政権の首相として、税と社会保障の一体改革で消費増税への道筋を付けた当事者だ。国民民主党の玉木雄一郎代表は「選挙に有利なものを過去の政策と矛盾する形で出している」と野田氏の「変節」を批判した。 

 

与党・公明党も「減税の実現」を参院選で訴える重点政策に掲げる。選択肢の一つが、飲食料品などに適用される消費税の軽減税率引き下げだ。軽減税率導入を主導したと自負する公明内には「こういうときのために導入したのだから活用すべきだ」との意見が強まっている。 

 

連立を組む自民内でも参院選への危機感から参院自民を中心に減税を求める声が高まっている。松山政司参院幹事長は、森山裕幹事長ら党幹部に減税の訴えを公約に反映するよう要請した。衆参の一部議員も減税への賛同を求める署名集めに動く。 

 

自民執行部は一貫して慎重な立場を示す。森山氏は、消費税が社会保障や地方交付税の財源になっているとして「下げるとすれば財源をどこに求めるのか。対でないといけない」と、参院選を前にした減税アピールを牽制(けんせい)する。公約策定のトップを担う小野寺五典政調会長も否定的だ。 

 

政府は、「食料品含め税率引き下げは適当ではない」(林芳正官房長官)と、減税を重ねて否定しているが、石破茂首相(自民総裁)は党内の賛否の間で揺れている。(小沢慶太) 

 

 

 
 

IMAGE