( 287196 ) 2025/04/30 05:01:14 0 00 日テレNEWS NNN
スーパーでのコメの平均価格は、16週連続で値上がりし、過去最高値を更新。備蓄米が放出された後も、中小のスーパーなどにあまり出回っていないという問題もあります。JA全農によると、出荷済みは落札量の24%のみ。なぜ出荷が遅れているのでしょうか?
そこで今回の
、「備蓄米の出荷 いまだ24%のワケ」をテーマに解説します。
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菅原薫・日本テレビ解説委員 「JA全農が落札した備蓄米の出荷が、いまだ24%にとどまっています。身近なスーパーではいつ、コメの価格が安くなるのでしょうか?」
「農林水産省は、全国約1000店のスーパーで販売されているコメの価格を調査し、毎週発表しています。4月7日~13日の1週間の平均では5キロあたり4217円で、15週連続で値上がり。史上最高値を更新していました(※)」
鈴江奈々アナウンサー 「この4か月上がり続けているということで、なんとか下落方向に転じてほしいですけどね…」
菅原解説委員 「備蓄米はスーパーで見かけましたか?」
瀧口麻衣アナウンサー 「いや、ないです…」
森圭介アナウンサー 「袋にでかでかと『備蓄米』と書いてないですからね」
鈴江アナウンサー 「ネットスーパーなどで見ると、『ブレンド米』として他のお米よりも安く出ているものを見かけるようになりました」
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菅原解説委員 「石川・野々市市にあるJA全農グループのスーパー『プララAコープ富奥店』で28日に並べられていたのは備蓄米です。店内では『新発売! 国内産ブレンド米』として、5キロ3280円(税抜き)などで販売されていました」
客 「ありがたいですね。結構田舎だと前の年のも食べたりしてるから、そんなには気にならないけど…」
別の客 「やれやれやっとかな、って感じ」
店長 「1割ほど安くなっております。いつ入ってくるんだろうかなと我々も思っておりましたので、それがやっと『きょう入ってきたのか!』という思いですね」
瀧口アナウンサー 「結構安いなと思いましたし、備蓄米だとわかりやすいデザインで販売しているところもあるんですね」
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菅原解説委員 「備蓄米をめぐっては、中小のスーパーなどにはあまり出回っていないという問題もあります。これまで行われた備蓄米の入札で9割以上を落札したJA全農(全国農業協同組合連合会)が25日に、販売状況を発表しました」
「JA全農はこれまで行われた2回の入札で、19万9270トンを落札しています。この備蓄米については、全ての売却先が決まったとしています。ただ、このうち出荷済みの量については、落札量のまだ24%。約4万7000トンにとどまっているということです」
「JA全農は6月末までには全体の66%にあたる約13万トンを出荷するということです」
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斎藤佑樹キャスター 「なんでこんなに時間がかかっているんですか?」
菅原解説委員 「理由はいくつかあるんです。まず、JA全農によると備蓄米の受け渡しには手順が多く、とにかく時間がかかります。卸売業者からJA全農に注文が来てからスーパーなどにコメが並ぶまでに、2週間~3週間かかるといいます」
「JA全農は卸売業者からの注文に合わせ、その時々で必要な分だけ、国から備蓄米を受け取ることになります。受け取ったコメをトラックなどで卸売業者が指定する受け渡し場所に搬入します。玄米の状態なので、精米工場を経てスーパーなど小売店に並びます」
森アナウンサー 「一刻も早く欲しいという気持ちはわかりますけれども、トラックの運転手さんが不足している等々ありますから、時間がかかっちゃうのはしょうがないということなんですかね…」
斎藤キャスター 「玄米を精米する1工程あることで、確かに時間はかかりますよね」
菅原解説委員 「いろいろな要因があって、かなり時間がかかっています。さらに、宇都宮大学の松平尚也助教に、備蓄米が出回らない理由を聞きました」
「そもそも今在庫を抱えている卸売業者は、まずその在庫からさばいていきたいということです。そのため、JA全農からすぐに備蓄米を出荷してもらうのではなく、在庫がある程度さばけた5月や6月に出荷してくださいとオーダーする傾向にあるそうです」
「それが、出荷が遅れている1つの原因だといいます。こうしたことを受けて、松平助教は『備蓄米に即効性がないことも浮き彫りになってきた』と話しています」
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鈴江アナウンサー 「倉庫という物理的なキャパシティーがあるので、備蓄米とは別の通常のコメがなかなかさばき切れていないと、すぐには搬入できないということですか…」
菅原解説委員 「そうですね。順番にさばいていきたいということなんだと思います。コメの高騰で、全国的にこれまであまり注目されてこなかったご当地米にも問い合わせが増えてきたといいます」
「例えば青森県産の『南部達者米』。都内のアンテナショップ(八戸都市圏交流プラザ8base)で1キロ750円で販売しています。5キロに換算すると3750円。かなり人気が出ていて、1人1袋限定での販売だそうです」
「青森では知られているそうですが、全国的にはまだ認知度は低いということで安くなっているのではないでしょうか」
直川貴博キャスター(元福島中央テレビアナウンサー) 「福島でもそれぞれの地域でご当地米は出ていますが、これが都内で手に入る(となると)、スーパー感覚でアンテナショップに行ってみようとなりますね」
菅原解説委員 「いろいろなご当地米を食べてみようかなという気にもなる、これはいいことかもしれないですよね。沖縄県産の『あふそ米』は7月ごろに収穫される新米で、5キロで2500円。数に限りがあって県内のみで販売しているため、安く売っているそうです」
「収穫シーズンを前に今注文が殺到しているということですが、断っている状況だそうです」
鈴江アナウンサー 「コメの種類も、ご当地に目を向けるといろいろあることがよくわかりました」
菅原解説委員 「松平助教によると、備蓄米がしっかり出回れば、5月か6月くらいには少しコメの価格が落ち着くのではないかということでした。ただアメリカとの関税協議の影響が出てくる可能性もあり、効果を計りづらいとも話していました」
※その後、農水省から4月14日~20日のコメ価格が発表されました。4220円と16週連続の高騰となり、史上最高値を更新しました。
(2025年4月28日午後4時半ごろ放送 news every.「
」より)
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