( 287496 )  2025/05/01 05:53:56  
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パチンコの新機能「ラッキートリガー3.0」によってどんな機種が登場するのか(イメージ) 

 

 コロナ禍以降、深刻なユーザー離れが続くパチンコ業界。そうしたなか、より幅広いゲーム性を実現するという新たな出玉機能「ラッキートリガー3,0プラス」を搭載した機種が、今年7月7日から導入される。パチンコ人気復活のための鍵となり得る「ラッキートリガー3.0プラス」とは、どういう機能なのか。【前後編の前編】 

 

 2024年3月導入機種より搭載が可能となった「ラッキートリガー」は、従来のパチンコ機における「総量規制」を一時的に超えることができるという出玉機能だ。パチンコにおける総量規制とは“RUSH(確変)突入時に獲得できる期待出玉の上限”のことで、現在のパチンコ機では期待出玉の上限が6400個となっている。一方でラッキートリガーと呼ばれる出玉機能は、その総量規制が一時的に9600個になる。つまり通常のRUSHとは別に出玉性能の高いラッキートリガーを搭載することで、多様な出玉の波が実現する。 

 

 このラッキートリガーは2024年7月に「ラッキートリガー2.0」として、スマートパチンコ(通称「スマパチ」。パチンコ玉を触らずに遊技できる機種)限定で突入率が緩和されている。さらに2025年7月に「ラッキートリガー3,0プラス」として、出玉機能の制限が緩和されることになった。 

 

 ラッキートリガー3.0プラスの大きな特徴は、2.0に比べ突入率が高くなったことだ。ラッキートリガー1.0ではすべての大当たりで獲得できる期待出玉のうち、ラッキートリガーでの出玉が占める割合が2分の1以下に制限されていたが、ラッキートリガー2.0ではスマパチ限定で3分の2以下に緩和。それがラッキートリガー3.0ではスマパチ限定で5分の4以下にまで緩和された。大当り出玉のうちのラッキートリガーが占める割合が大きくなったことで、出玉性能の高いラッキートリガーに入りやすくなった。 

 

 またラッキートリガー2,0までは“初当たりを含む大当たりで獲得期待出玉”が3200玉未満に制限されていたが、3.0ではスマパチ限定で6400玉未満にまで増えた。 

 

 

 ラッキートリガー3.0プラスになって、出玉性能はどう変わるのか。パチンコ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。 

 

「ラッキートリガー搭載機の条件となっている“初当たりを含む大当たりで獲得期待出玉”というのは、確変やRUSHではない単発の大当たりを含んだ期待出玉です。この期待出玉を3200個未満にしたうえでRUSHの性能を高めるためには、図柄が揃わない“チャージ”と呼ばれる獲得出玉の少ない大当たりを搭載する必要がありました。 

 

 しかし、ラッキートリガー3.0ではスマパチ限定で“初当たりを含む大当たりで獲得期待出玉”の上限が6400個未満となったことで、出玉の少ないチャージと呼ばれる大当たりを搭載する必要がなくなる見込みです。これまでのチャージは『当たったけどあまり増えない』ということで、ユーザーにしてみれば『損をした』という感覚がある存在でしたが、ラッキートリガー3.0ではそういったことがなくなると考えられます。 

 

 また、全体の獲得出玉に占めるラッキートリガーの割合が高くなったことで、“RUSH=ラッキートリガー”に近いスペックを作りやすくなります。つまり、今まで以上に1回の大当たりにおける獲得期待出玉が大きくなり、結果的に出玉の波が荒い機種が登場するということです」 

 

 ラッキートリガーに関する出玉性能が高まったとは言え、パチンコそのものの出玉性能が高まるわけではないという。 

 

「ラッキートリガーに関する変化はあっても、大前提となるパチンコ機における出玉機能に対する規制は何も変わっていません。ラッキートリガーで一時的に大きな出玉が獲得できるようになったなら、その分どこかで絞られるということです。ラッキートリガー3.0プラスの性能を最大限に活かせば射幸性は高くなりますが、だからといって勝ちやすくなるわけではない。大勝ちする可能性が高まった分、大負けする可能性も高まったと考えるべきです」(藤井氏、以下同) 

 

 

 さらにラッキートリガー3.0プラスでは、“プラス”の部分として、“時短”と呼ばれる機能に大きな変更点がある。時短への状態移行方法や時短の回数などの自由度が増し、これまでのパチンコでは難しかったゲーム性が実現されるという。 

 

「“プラス”の部分について、細かい仕様を理解するのはかなり難しいと思います。現状では、どういった出玉システムで搭載されるのかが具体的にわからない部分も多いのですが、パチンコメーカーによる日本遊技機工業組合の発表によると、RUSHを高確率で抽選する“チャンスゾーン”のような状態を作れるようになるとのこと。また、RUSHの継続率を段階的に高めていくといった仕様も可能になりそうです。 

 

 イメージとしては、パチスロのようなゲーム性がパチンコでも可能になるという感じでは。これまでのパチンコは“射幸性が高いかどうか”にスポットが当たりがちでしたが、今後は“どんな当たり方をするのか”“どんなルートでRUSHを引くのか”といった部分も重要になってくるはず。もしかしたらパチンコが根本から変化するかもしれません」 

 

 まだまだ不明な部分も多いラッキートリガー3.0プラス。後編記事では、ラッキートリガー3.0プラスが一般ユーザーにどんな影響を与えるのかについて、詳細に説明していく。 

 

■後編記事:《パチンコの新機能「ラッキートリガー3.0プラス」導入で何が変わるか? 射幸性が高まりゲーム性が複雑化、「知識がないと打てない」と“ライトユーザー離れ”の懸念も》につづく 

 

 

 
 

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