ふるさと納税のコメ返礼トラブル「確保が不可能」　減量か“複雑返金”迫られる 

　コメの価格高騰の影響で、ふるさと納税の返礼品としてコメを受け取る予定だった人が、ある選択を迫られ物議を醸しています。 

　ゴールデンウィーク最初の祝日となった、29日。埼玉県にある道の駅は、大勢の客でにぎわっていました。皆さんのお目当ては地元産のコメ。直売所では、玄米1キロ760円から。5キロに換算すると3800円です。 

買い物客 

「他のスーパーより安いですよ」 

　28日に農水省が発表した、コメ5キロの販売価格は4220円。16週連続の値上がりとなっています。コメの価格高騰の影響は、ふるさと納税にも及んでいます。 

吉備中央町にふるさと納税をした男性（40代） 

「向こうの都合で我々との契約を破棄されたということに、憤りを感じる」 

　怒りをあらわにする男性。岡山県吉備中央町のふるさと納税返礼品のコメの発送が滞っている問題で、受け取ることができていない1人です。 

　吉備中央町は昨年度まで、農家からコメを買い取る際、代金に加えて生産者に1万円の「支援金」を支給していました。支援金も含めると調達費が寄付額の48％に上るため、総務省が問題視しています。 

　そんななか、町から男性の元に届いた1通の手紙。そこに書かれていたのは…。 

吉備中央町にふるさと納税をした男性 

「キャンセルして確定申告し直すか、（返礼品を）15キロから8キロに減らすか、どちらかを選べと」 

　男性は1口1万1000円の寄付を12口行い、1年間、毎月15キロのコメを受け取れるように指定していました。ところが問題発覚後、町側から今後の返礼品を15キロから8キロに減量するか、キャンセルして返金するかの、どちらかを選ぶよう迫られています。 

吉備中央町にふるさと納税をした男性 

「確定申告し直す手間も労力も考えると、残念ながら8キロで。悔しいながら、一応、受け止めようかなとは思っています」 

　返金を選んだ場合、昨年度の寄附金税額控除等を受けた人は、修正申告が必要となり、追加納税が必要となる可能性もあります。 

　町は、手紙の中で…。 

吉備中央町の手紙 

「ふるさと納税返礼品の返礼割合基準を満たした状態で、1口当たり15キロの量でお送りするために必要なコメの確保が不可能となってしまいました。この度は、誠に申し訳ございませんでした」 

　今後、寄付額の増額が予想される返礼品のコメ。さらに10月からは、ふるさと納税のポータルサイトが独自に付与しているポイントが廃止される見通しです。 

　そんななか専門家は、ポイントが廃止される前の時期が、お得に利用できる可能性があるといいます。 

ふるさと納税総合研究所 

西田匡志社長 

「9月中にたくさんポイントを付与してお客さんを抱え込んでおきたい、そういったポータルサイトがたくさんあるので、今年に関しては8月くらいから各ポータルサイトがポイント合戦になると思います」 

（「グッド!モーニング」2025年4月30日放送分より） 

テレビ朝日