( 287764 ) 2025/05/02 05:39:34 1 00 「ラッキートリガー3.0プラス」はパチンコのゲーム性を変える新機能で、獲得期待出玉が大幅に増加し、パチンコとパチスロのゲーム性を融合させることが可能になる。 |
( 287766 ) 2025/05/02 05:39:34 0 00 新機能「ラッキートリガー3.0プラス」でパチンコのゲーム性はどう変わるか(イメージ)
パチンコの新機能「ラッキートリガー3.0」を搭載した機種が、今年7月から導入開始となる。大当たりにおける獲得期待出玉が大きくなり、パチンコのゲーム性を格段に広げるという「ラッキートリガー3.0」の機能面について解説した前編記事《デビュー間近のパチンコ新機能「ラッキートリガー3.0プラス」の2つの特徴 大当たり時の獲得期待出玉が大きく、パチスロのようなゲーム性が可能に》に続き、今回は、一般ユーザーにどんな影響を与えるかについて説明していく。【前後編の後編】
2024年3月導入機種より搭載が可能となった「ラッキートリガー」は、従来のパチンコ機における「総量規制」を一時的に超えることができるというもの。従来のものより出玉性能が高いRUSH(確変)を搭載できるという機能だ。
ラッキートリガーを搭載するにはいくつかの条件があるが、「ラッキートリガー3.0プラス」ではその条件が緩和された。スマートパチンコ(通称「スマパチ」。パチンコ玉に触れずに遊技できるパチンコ機)限定で、すべての大当たりで獲得できる期待出玉にラッキートリガーでの出玉が占める割合が3分の2以下から5分の4以下になった(P機は2分の1以下)。また、また、ラッキートリガー搭載機における“初当たりを含む大当たりで獲得期待出玉”が3200個未満だったのが、3.0ではスマパチについては6400個未満に増えた。
これまではラッキートリガー搭載の条件を満たすために、獲得出玉の少ない“チャージ”と呼ばれる単発大当たりを搭載する必要があったが、ラッキートリガー3.0プラスではそのチャージが必要なくなり、ラッキートリガー突入率が高まるという。
またラッキートリガー3.0プラスの“プラス”の部分として、「時短」の機能が大幅変更となる。これによって、パチスロの“チャンスゾーン”のような状態が作り出せるようになるという。パチンコ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「パチンコでは基本的に、通常時の大当たり抽選でRUSHに突入するかどうかが決まります。言い換えれば、通常時のどんな状態であってもRUSH突入率は一定です。それがラッキートリガー3.0プラスで時短の仕様が変更され、“チャンスゾーン”のような状態が作り出せるようになると、“RUSH高確率”“RUSH超高確率”などといった通常時とは異なる状態が可能になります。また複数の種類の時短を上手く駆使することで、RUSHの継続率を段階的に上げていくことも可能になりそうです。ゲーム性が拡大するのは、間違いないと思います」
パチンコに新たな楽しみを与えることとなりそうなラッキートリガー3.0プラスだが、必ずしもメリットだけではなさそうだ。藤井氏はこう話す。
「ラッキートリガー突入率が高まることで射幸性が高くなります。それはつまり、一撃で大きな出玉を獲得する可能性が高まる一方で、大負けする可能性も高まるということ。今までのパチンコの歴史を見ると、射幸性の高い機種が人気になる傾向があるものの、1回の遊技で使うお金が増える可能性があり、ユーザーへの負担が大きくなってしまう。ユーザー離れが深刻化している現在のパチンコ業界では、既存ユーザーの消費を増やすことよりも、新規ユーザーの獲得が重要です。そういう意味では、ラッキートリガー3.0プラスの登場で既存ユーザーの負担が大きくなるのは、必ずしも望ましいとは言い難い。
ラッキートリガー3.0プラスによってゲーム性の幅が広がることで、射幸性の高い機種だけでなく、いろいろなタイプの機種が出てくるだけなら、単純に選択肢が増えるという意味で歓迎すべきことだと思います。しかし、ホールとしては稼働率が高く、利益が出やすい機種を多く導入したいというのが本音であり、相対的に射幸性が高い機種ばかりになってしまう可能性は否めない。その結果、新規ユーザーが入りにくくなる状況になるのは心配です」
ラッキートリガー3.0プラスで、獲得出玉の少ない“チャージ”がなくなることも、見方を変えればデメリットになりかねない。
「チャージについては『せっかく当たったのに出玉があまり獲得できない』ということで、あまり歓迎しないユーザーが多いのも事実です。しかしながら、チャージで300個くらいの出玉を得ることで、通常時の現金使用が抑えられていたという側面もあります。
もちろんチャージの出玉の分をRUSHに回せるというのはメリットではありますが、通常時とRUSH中とのメリハリが強くなりすぎて、気軽に遊びにくくなりそうな印象も拭い去れない。釘調整が渋くてあまりヘソに入賞しない台(大当たり抽選を受ける頻度が低い台)で遊技した場合、現金使用がどんどんかさんでいってしまう可能性もある。やはりユーザーへの負担が増えることが心配です」(藤井氏、以下同)
ラッキートリガー3.0プラスの“プラス”の部分で、パチンコのゲーム性が大きく拡大することも一長一短ありそうだ。
「ラッキートリガー3.0プラスでの“チャンスゾーン”は時短を駆使して作り出すとのことですが、仮に滞在しているのが“通常時”なのか“チャンスゾーン”なのかが一見してわからない仕様だと、“チャンスゾーン”であることを気づかずにやめてしまうユーザーも出てくるかもしれません。
パチスロでは、あえて滞在中の状態を隠すことで多様なゲーム性を生み出していますが、これまでそういったシステムがほとんどなかったパチンコで、わかりにくい複雑な出玉システムが受け入れられるかどうかは判断が難しいところです。少なくとも滞在中の状態がわかるような仕様にしないと、ユーザー側が損をしてしまう機会が増えるのではないでしょうか」
複雑なゲーム性の機種も多いパチスロでは、“チャンスとなるゲーム数”や“AT(アシストタイム。出玉が増える機能)を高確率で抽選するゾーン”などがあり、それを見極めながら打つユーザーも多い。そういった機種で勝つために、出玉システムをしっかりと学んで立ち回るのはもちろん、チャンスがあるゾーンで放置されている空き台を探し回るユーザーも少なくない。
「パチンコがラッキートリガー3.0プラスでパチスロのようになったら、ユーザー層も大きく変わるでしょう。パチスロでは機種の知識をしっかり調べている若いユーザーが多く、パチンコではそこまで知識を持っていないライトユーザーや年齢の高い層が多いというのが現在の傾向ですが、今後はパチンコでも若いユーザーが増えてくることが予想されます。パチンコよりもパチスロ人気が高い現状を考えると、パチスロユーザーをパチンコに呼び込むという点では“パチンコのパチスロ化”は間違った選択ではないと言えるかもしれません。
ただ、出玉システムについて何も知らない状態で打つと損をする可能性があるということは、新規ユーザーにとってはハードルが高くなってしまいますし、シンプルであるからこそ打っていた既存のパチンコユーザーが離れていってしまう懸念もある。また、ライトユーザーがやめたチャンスのある台を掴もうとして、店内をうろつく“ハイエナ”と呼ばれるユーザーがパチンコのシマに増えてしまう可能性もある。実質的に“知識がないと打てない”時代になれば、一部のコアユーザーのみが“おいしい”思いをすることになりかねません」
では、ラッキートリガー3.0プラス導入以降のパチンコには何が望まれるのだろうか。
「ゲーム性の幅が広がって、多様な機種が登場するのは歓迎すべきことです。しかしその結果、射幸性の高い機種やパチスロのような複雑なゲーム性の機種ばかりになると、新規ユーザーが入り込む余地がなくなってしまう。コアユーザー向けの射幸性の高い機種や複雑な機種がある一方で、新規ユーザーやライトユーザー向けの遊びやすくてシンプルな機種もある、という状況になるのが好ましいと思います」
パチンコのゲーム性が多様化させるラッキートリガー3.0プラス。果たして、パチンコ復活の引き金となるのだろうか──。
■前編記事:《デビュー間近のパチンコ新機能「ラッキートリガー3.0プラス」の2つの特徴 大当たり時の獲得期待出玉が大きく、パチスロのようなゲーム性が可能に》から読む
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