( 288041 ) 2025/05/03 06:05:54 0 00 会見する伊藤忠商事の石井敬太社長=2025年5月2日、東京都港区
伊藤忠商事の石井敬太社長は2日の決算会見で、トランプ米政権の関税政策などによる影響は限定的だとする見通しを示した。
石井氏が強調したのはグループ企業などの成長だ。「海外での貿易戦争の決着が与える影響と、我々が自信を持って収益を上げられる国内の骨太事業の成長を比べると、それで打ち消せる程度だと思う」と話した。
世界経済の落ち込みも指摘され、多くの企業トップから慎重な発言が相次ぐ中、自社の事業に自信をみせた。
この日発表した2025年3月期決算では、純利益が前年比9.8%増の8802億円と過去最高に。「骨太」と位置付ける子会社で情報産業を担う伊藤忠テクノソリューションズや、コンビニのファミリーマートなどが好調だった。
こうした事業の勢いは今後も続くとみる。26年3月期の業績予想は純利益が同2.2%増の9千億円にのぼり、過去最高を更新する見通しだ。
業績見通しでは、景気後退リスクとして400億円の純利益の下ぶれ分も織り込んだ。それでも石井氏は、繊維や食料などを抱え、資源関連の割合が高い他の大手商社との事業構造の違いから、影響は限定的とみる。石井氏は「トップ商社が資源価格の高騰で稼いでいた頃に、比較的バランスがとれたポートフォリオ(事業の組み合わせ)をめざして着実に投資をしてきた」と自負をみせた。(岩沢志気)
朝日新聞社
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