( 289321 )  2025/05/08 05:35:53  
00

玉木雄一郎代表 

 

 有権者から見放され沈みゆく永田町にあって、“一人勝ち”状態にあるのが玉木雄一郎代表(56)率いる国民民主党だ。迫る今夏の参院選でも大幅な議席増が予想されるが、肝心の“候補者”の中には問題を抱える人物がいるのも事実だ。当事者たちを直撃すると――。 

 

 *** 

 

 まずは、元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏が、国民民主党の「勢い」をこう分析する。 

 

「すでに支持率で立憲民主党を上回り、勢いも持続している。比例で10議席、東京や神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡などの複数区で5〜6議席は取ると見積もっています。玉木氏が掲げた16議席獲得も、十分に達成可能な目標といえます」 

 

 今夏の参院選における同党の改選組は4人のため、一気に4倍増となる大躍進も現実味を増しつつあるのだ。しかし、不安材料がないわけではない。 

 

「党勢を伸ばす国民民主から出馬したいと考える者は多い反面、知名度や実績を兼ね備えた“いいタマ”を確保できないことが悩みの種となっています。実際、候補者選びは代表の玉木氏や幹事長の榛葉賀津也氏(58)、国対委員長の古川元久氏(59)らの個人的人脈に頼る部分が大きいとされ、名前の挙がるメンツを見渡しても玉石混淆(こんこう)は否めない。擁立を決めた途端、批判にさらされ方針を引っ込めるといった混乱も続いています」(全国紙の政治部記者) 

 

 例えば、公認の動きが明るみに出るや批判が殺到し、玉木氏ら幹部も対応に苦慮しているのが、元同党所属衆院議員で弁護士の菅野(山尾)志桜里氏(50)である。4月22日、参院選の比例代表として菅野氏擁立の方針が報じられると、すぐにSNS上で「不倫まみれの国民民主党」や「不倫容認政党」などの言葉が飛び交う“大炎上”へと発展した。 

 

 菅野氏といえば、2017年の民進党(当時)議員時代に倉持麟太郎弁護士との不倫が発覚。その後、倉持氏の妻が自殺するという悲劇が起きている。 

 

 折しも同じ4月22日、国民民主の平岩征樹衆院議員(45)が偽名を使い「独身」と偽って不倫していた過去を、週刊誌報道に先手を打つ形で謝罪。玉木氏の元グラドルとの不倫話も蒸し返され、「不倫性党」などと非難の大合唱を生んだ。 

 

「タイミングが悪かったとはいえ、想像を超える世論の反発が党に押し寄せ、幹部たちも慌てふためいた。ただ菅野氏の政治家としての能力を評価する声は依然多く、党名で選ぶ傾向の強い“比例代表であれば問題なく当選する”として、いまも擁立を模索する動きは消えていない」(前出の政治部記者) 

 

 選挙での公認権を握る榛葉氏に「菅野氏を擁立するのか?」と尋ねたところ、 

 

「賛否両論があるのは、それだけ注目されているということじゃないですか。(党の)役員会を含め、いろいろな声があるので、現状(擁立するか否かは)決まっていません」 

 

 

 そして、出馬情報が菅野氏に劣らぬハレーションを起こしているのが、東京選挙区の目玉候補に挙げられる元NHK「日曜討論」キャスターの牛田茉友氏(39)だ。 

 

 古巣NHKの関係者が憤懣(ふんまん)やるかたない様子でこう話す。 

 

「立候補が発表される直前まで、彼女は周囲に“その気はありません”と答えていたので、局としてはほとんど青天の霹靂(へきれき)でした。22年の参院選時にも彼女の名前が候補に挙がり、その後、自民や立民、維新など各党の勉強会に積極的に顔を出すようになっていた。散々顔を売ったおかげで今回、彼女はほぼ全ての政党からオファーを受けていたといい、選りどり見どりの中から選んだのが国民民主だった。要は、一番勢いのある“勝ち馬“に乗ったということでしょう」 

 

 てっきり「脈アリ」と勘違いしていた自民党や、大阪出身の牛田氏にご執心で熱烈ラブコールを送っていた日本維新の会も、彼女の手のひら返しにあきれているという。 

 

 5月5日、東京・秋葉原で行われた国民民主党の街頭演説には牛田氏も玉木代表と並んで登壇。約200名の聴衆を前によどみなく演説を打った後の彼女を直撃した。 

 

「(NHK内からの批判は)私自身には届いていませんが、年度途中で辞めたことに関しては申し訳なく思っています。どのような形になっても、NHKには必ず恩返しできるようやっていきたいと考えています」 

 

 国民民主を選んだ理由については、 

 

「私自身、NHKにいた頃から、孤独・孤立支援の問題について何とかならないかと考えていて、国民民主はその部分について熱心で充実していた。そういったところに共感しましたし、私もそこ(問題解決に向けた道)をしっかりとこじ開けていきたいなと」 

 

 果たして、菅野、牛田の両氏は国民民主党の勢いを借りて「不倫」と「不義理」の汚名を乗り越えることができるのだろうか。 

 

 5月8日発売の「週刊新潮」では、「玉木総理誕生」のシミュレーションを含め、専門家の解説を交えながら国民民主の思惑を4ページにわたって特集する。 

 

「週刊新潮」2025年5月15日号 掲載 

 

新潮社 

 

 

 
 

IMAGE