( 289751 )  2025/05/10 03:22:34  
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児童が感じた恐怖は計り知れない 

 

5月8日、東京都立川市の市立第三小学校(田村聡校長、児童513人)で校舎内に侵入してきた男2人が教室に乱入したり職員室の窓ガラスを割ったりなど暴れ、男性教職員5人にケガを負わせた事件。警視庁は9日、男2人を傷害と建造物侵入、公務執行妨害の容疑で送検した。この学校に通う2年生の児童の母親が子ども間のトラブルの相談のため学校を訪れていたが、話がまとまらずに男2人を呼んだとみられている。 

 

母親に呼ばれた男たちは酒に酔った状態で駅からタクシ-に乗り学校前で下車、正門から学校に侵入した。 

 

「母親が学校に相談にいった“トラブル”とは、真偽は不明だが『娘のAが友達のBからいじめを受けた』といった内容で、担任を交えての話し合いをしたようです。この手のトラブルは学校としては一方的に話を聞いて行動することはなく、双方の話を聞いてから対応することが鉄則ですが、母親は学校の対応に納得いかず知人2人に相談したと思われます」(社会部記者) 

 

男二人は緑色の焼酎ビンを片手に一直線にAちゃん、Bちゃんが在籍する2年生の教室へと向かった。子どもたちの前でBちゃんの名前を大声で呼び“恫喝”、酒ビンを割り椅子を振り上げた。さらに担任の教師にも暴力をふるいケガを負わせた。そして職員室へと誘導する校長や同僚の教師にもケガを負わせ、窓ガラスも割り、その後駆けつけた警察官に逮捕された。 

 

事件翌日の9日、小学校は普段通りの授業が行なわれていたが、多くの保護者から不安の声があがった。2年生のある男子児童が保護者同伴のもと、当時の様子を改めて証言した。 

 

「事件のときはトイレに行きたくなってトイレに行っていた。男の人2人が廊下にいるのを見たけど両方ヤンキー。その時は怒鳴ったりとかしてなくて、ただいただけ。それで僕がトイレに行ってから教室に戻ろうとしたらクラスのみんながわーって逃げてきた。だから僕も一緒に逃げた。 

 

男の人が『Bー』とBちゃんの名前を叫んだり、教室でお酒のビンを割ったりして怖かったって、あとで友達から聞いたよ。僕はAちゃんとBちゃんが一緒にいるところは見たことないし、仲がいいかどうかわからない。でも、学校でいじめがあるとかそういうのはわからなかった。Bちゃんは普通の子だよ」 

 

児童はこの日、Aちゃんの母親も見かけたという。母親の印象について聞くと、「金髪・ヤンキー」と答えた。 

 

 

同席した保護者はこう語った。 

 

「私はAちゃんについてもBちゃんについても知りませんでしたし、これまで学校でいじめがあるからと問題になったこともありませんでした。なので、推測でしかないですが、AちゃんのことをBちゃんがいじめていると思ってBちゃんのいるクラスにその男の人達は来たのだとは思います……」 

 

保護者は学校の対応についても不安を感じていた。 

 

「いまだに学校側から説明会の日程や正式に今後のことを何か言われているという事もありません。こんな事は初めてなので、対応が遅いのかはわかりませんが、今後のことや詳細についても保護者としては早く知りたいですね。事件についても子供たちのことを考えればやり切れませんし、今後の事についても不安です。 

 

今回の男の人たちも長いあいだ捕まっているわけじゃないでしょうし、出てきてまた学校に来たらと思うと怖いです。それに近々運動会なんですよ。子供達も楽しみにしているし、できれば開催してほしいのですが、中止や延期になる可能性もあります。それに不特定多数の人が学校に入れるという状況になるのはやっぱり不安です」 

 

別の2年生の保護者は、同級生である二人の児童を心配していた。 

 

「可哀想なのは加害者の友人の子ども(Aちゃん)ですし、侵入された男の人に名前を叫ばれていた子ども(Bちゃん)ですよね。学校側の対応がいくら納得いかないとしても、子どもたちのことを考えてほしかった」 

 

9日、AちゃんとBちゃんは学校を休んでいるという。 

 

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

 

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