( 290126 ) 2025/05/11 05:26:34 0 00 「部長」に昇進した夫、憧れだった「ベンツのゲレンデ」が欲しいと言いだしました。「年収1000万円」で「1800万円以上」する車を買うのは無謀じゃないですか…?
高額な車の購入で家計が傾く可能性を考えれば、たとえ長年の憧れであっても家族が首を縦に振り難いのは無理のない話です。本記事では部長に昇進したという旦那さんの希望がかなえられそうか、部長職の平均年収や車の購入価格の目安から解説します。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より、企業規模に応じた部長職の平均年収を算出したものが表1です。なお元データには十円単位以下の記載がないため、本表は概算となっています。
表1
表1
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
部長職の平均年収はおおむね740万円から1320万円程度で分布しており、企業規模が大きくなるほど上昇傾向にあります。また10人以上の企業の総計では平均年収は約980万円となっており、企業全体を俯瞰(ふかん)しても、年収1000万円を達成する部長職はそれなりに在職しているとみてよいでしょう。
参考までに、課長職の平均年収との差もみてみましょう。表1と同典拠のデータより、課長職の企業規模別平均年収を簡易にまとめたものが表2です。
表2
表2
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
企業の人事評価制度や給与体系にもよるものの、企業平均で150万円程度、企業規模によって約100万円から300万円程度、年収アップの可能性があることが分かります。
ローンによる車の購入は「年収の5割以下」を目安にするといわれることがありますが、これはローンの「返済比率」を考慮した言説です。この場合年収1000万円の方がローンを組める金額の目安は500万円程度となり、「ベンツのゲレンデ」の場合1300万円以上の頭金を支払う必要があるでしょう。
また、もしフルローンの審査に挑む場合、例えば部長職への昇給分を年300万円として、すべて返済に充てると想定してみます。購入金額およそ1800万円を月々の返済のみ・ボーナス返済なしで完済するには、元金だけで約6年間は返済の必要があり、さらに金利負担や車の維持費も加わります。
貯蓄が大きく目減りすることや、返済中の生活水準を再考しなくてはならないといった可能性があります。
年収1000万円は部長職としては特段低くない給与水準といえそうな点は、家族にとっても喜ばしいことでしょう。しかし、ローンによる車の購入は「年収の5割以下」が目安とされており、仮に頭金なしで1800万円の車を購入するのはやや無謀と言わざるを得ないため、貯蓄状況を改めた方が賢明かもしれません。
出典 e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職 表番号1 役職、学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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