( 290176 ) 2025/05/11 06:23:22 0 00 読売新聞
日産自動車は9日、北九州市若松区で今年度中に着工予定だった電気自動車(EV)向け電池工場の建設を断念すると発表した。業績不振やEV市場の成長鈍化で、投資に見合う利益を得られないと判断した。日産の決定を受け、経済産業省は新工場への補助金の認定を取り消した。
4月に日産の社長に就任したイバン・エスピノーサ氏や平田禎治執行役が福岡県庁を訪れ、服部誠太郎知事や北九州市の武内和久市長に計画の撤回を伝えた。日産は2028年度の稼働開始を目指して今年1月に県、同市と立地協定を結んだばかりで、報道陣の取材に応じた平田氏は「短い期間でこのようになったことをおわびしたい」と述べた。
日産の計画では、響灘地区にある15万平方メートルの敷地に1533億円を投じて新工場を建設。新型のLFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池を生産し、28年度から量産する軽EVなどに搭載する考えだった。経産省は最大557億円の補助金を出す方針だった。日産は軽EVを、同県苅田町の日産九州で生産することも検討していた。
日産は25年3月期連結決算の最終利益が最大7500億円の赤字となる見通しで、世界で生産体制の見直しを進めていた。
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