( 290845 )  2025/05/14 04:36:54  
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日本維新の会の三木圭恵議員 

 

 13日、衆議院本会議にて日本維新の会の三木圭恵議員と日本共産党の塩川鉄也議員が日本学術会議法について激論を交わした。 

 

 三木議員が「会派を代表し日本学術会議法案に賛成の立場から討論する。本来であれば、全面的に国の補助金で運営するのではなく、日本学術会議の独立性を担保するためにも、資金面でも自立していくことが求められる。そういった意味では、今回の法案はまだまだ不十分であり、全面的に賛成とは言えない。最大の問題は、国からの独立を掲げながら年間12億円にも及ぶ税金投入が続くことだ。学問の自由を追求し、真の独立を勝ち取るためには、財政面でも独立し、民営化の道を進むことが本来の姿であり、国民からの支持や期待に応えていくことだ。しかし、不十分な法案とはいえ、本法案に反対し廃案にするとすれば、現行の学術会議がそのまま存続することになり、それでは必要な改革を先送りすることにしかならない。本法案を第一歩とし、民営化に向けた抜本的改革に取り組んでいくべき」と述べると大きな拍手が響いた。 

 

 三木議員が続けて「本法案が提出された背景として、いわゆる任命拒否問題があると指摘されている。現行制度のもと、国の行政機関であるからには特別職の国家公務員としての適格性、政治的中立性の確保など、総理の任命権に基づく判断は尊重されて当然だ。同時に、法に根拠がある行為である以上、任命拒否について国民に対する説明責任があることも当然だ。政府は『人事に関することだから』と説明を拒む姿勢を改めるべきだ。国民に広く説明責任を果たし、国民の理解を得ることが必要。学術会議の立場から見れば、本法案によって国の機関でなくなれば、総理の任命手続も不要で、任命する・しないの問題に時間を取られることなく、科学的助言など本来の業務に専念することができる。本来業務に専念できることは本望ではないか」と述べると三木議員の討論をかき消すほどのヤジも入り混じるように。 

 

 さらに三木議員が「学術会議が今後我が国最高の科学アカデミーとして国民から信頼されるためには、学術会議の政治的中立性を確保することが非常に重要だ。特定の政党や外部勢力が介入し、影響を及ぼすようなことはあってはならない。我が党のこの指摘に対し、日本共産党は『我が党は学術会議に対し不当な介入・干渉を行った事実は一切ありません』と反論したが」とここまで述べた後にヤジに向かって「すいません、共産党の批判に対して立憲民主党の一期生がヤジを飛ばすのはどういうことか?」と問いかけると、大きな拍手が響いた。 

 

 拍手が響く中、三木議員が「1950年発行の同党の雑誌『前衛』47号の中で、同党の幹部・宮本顕治氏は『学術会議選挙で党員・専門家が最高点を得た成果について赤旗は大きく取り上げた』と、あからさまに会員選挙に党として介入したことを語っている。学術会議の法人化が学問への政治の介入だと非難されるのであれば、まずは自分たちの党の歴史を勉強されることをおすすめする」と述べると歓声と拍手が響き渡った。 

 

 三木議員がさらに「また、5月9日の内閣委員会において、日本共産党の塩川委員により『三木委員のやっていることは反社会的集団の統一教会系団体と同じものであり、統一教会と一体と見られても仕方がない』と発言されたが、私は統一教会とは無関係であり、根拠のない誹謗中傷だ。日本共産党を非難すれば『統一教会と同じだ』などと一生懸命レッテル張りをされる姿は、怒りを通り越して気の毒とすら思うが、内容が真実と違うので痛くも痒くもなく、そんなことで私が黙るとお考えなら、大きな間違いであることを指摘させていただく。過去の歴史を真摯に反省し、特定の政治勢力やイデオロギーによる支配を許さず、国民全体の利益のための科学という本来あるべき姿を取り戻すべきだ」と話すと再び拍手が起きた。 

 

 

日本共産党の塩川鉄也議員 

 

 名指しで批判された塩川議員は「日本共産党を代表して、日本学術会議法案に反対の討論を行う。先ほどの三木議員の我が党に対する発言は、事実を歪めた暴言であり、断じて認めることはできない。その暴言は統一教会の主張を丸写ししたものであり、維新の会の知的退廃と堕落を露呈したことを示している。きょう、このような賛成討論するしかないこと自体が、本法案がいかに道理がないか証明するものだ。断固抗議し、撤回を求める」と述べると拍手が響いた。 

 

 塩川議員は続けて「そもそも、政府には本法案を提出する資格がない。安倍、菅両政権が行った会員候補6名に対する違法・不当な任命拒否をいまだ撤回せず、その理由すら明らかにしないまま、一方的に現行の日本学術会議を解体して全く別の組織につくりかえるという乱暴なやり方で学問の自由を踏み荒らす政府の姿勢に断固抗議をする。法案が廃止を明記した現行の日本学術会議法は、その前文で『科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意のもとに、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と連携して学術の進歩に寄与する』と、学術会議設立の趣旨を謳っている。戦前の日本が学術を政治に従属させ、また、学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたことへの痛苦の反省の上に、学問の自由を保障する日本国憲法に立脚し、科学者の総意のもとに我が国の平和的復興に貢献することを使命とした戦後の出発点を消し去ることは、到底許されるものではない」と述べると再び拍手が起きた。 

 

 塩川議員はさらに「重大なことは、坂井担当大臣が『特定のイデオロギーや党派的主張を繰り返す会員は今度の法案では解任できる』と答弁したことだ。政府の意に沿わない会員は、学者の学識にかかわらず“党派的”と勝手に決めつけて排除する法案だと述べたものだ。学問の自由、思想信条の自由に対するあからさまな侵害であり、法案の本質が日本学術会議を解体し、その独立性を奪い、軍事研究を始め政府や財界の意に沿う方向に学術会を動員することを示すものだ。この道が学問の自由を奪い、学術の衰退をもたらし、日本の進路を誤らせることは歴史の教訓だ。法案が現行法にある『独立して職務を行う』との規定を削除し、日本学術会議の運営・財務・会員選考にまで政府が介入できる仕組みをつくろうとしていることに、学術会議の総会が採択した声明は独立性の阻害が意図されていると深刻な懸念を表明したことを重く受け止めるべきだ。日本の学術を抹殺する法案に反対する多くの学者、学協会や市民とともに、本法案を廃案にするため最後まで力を尽くすことを表明し、討論を終わる」と述べると拍手が長時間鳴り響いた。 

 

 その後、同日、日本学術会議を現行の「国の特別機関」から特殊法人に移行させる法案は自民、公明、日本維新の会の各党などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。 

(ABEMA NEWS) 

 

ABEMA TIMES編集部 

 

 

 
 

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