( 291371 )  2025/05/16 04:46:17  
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新藤義孝氏 

 

自民党は、外国人の就労者や観光客の増加に伴い迷惑行為や犯罪などへの対応が課題となっていることを受け、党内に特命委員会を設けて、来週にも初会合を開く。これまで党内の各部会などで議論してきた外国人問題への対策を包括的に検討し、夏の参院選公約に反映させたい考えだ。支持離れが指摘される保守層をつなぎ留める狙いもあるとみられる。 

 

特命委のトップに就く小野寺五典政調会長は15日の党会合で「あらゆる人々が共生していくためにも法令順守の徹底や受け入れ環境の整備、地域住民との相互理解の促進など、多方面の対応が必要だ」と強調した。課題として迷惑行為や犯罪への対応のほか、不適切な社会保障制度の利用、水源地や防衛施設周辺、離島などの不動産取得を挙げた。 

 

特命委の設置は小野寺氏と、トルコの少数民族クルド人の一部と地元住民の摩擦が表面化している埼玉県川口市を地盤とする新藤義孝政調会長代行が主導した。体制は新藤氏を委員長代行、交流サイト(SNS)で外国人問題への発信を強めている河野太郎元外相を委員長代理とする方向で調整している。自民政調は、X(旧ツイッター)で政界屈指のフォロワー数を誇る河野氏の発信力に期待する。 

 

特命委を新設して外国人問題について集中的な議論に乗り出す背景には、保守層の「自民離れ」がある。石破茂内閣の支持率が低迷し、参院選での苦戦が予想される中、岩盤支持層をターゲットにした効果的な政策を打ち出し、得票の底上げにつなげたい思惑が透ける。自民関係者は「包括的な対策をまとめて、公約で打ち出す」と意気込む。 

 

特命委ではクルド人問題の震源地となっている川口市の視察も予定しており、課題解決に積極的な姿勢をアピールしたい考えだ。(小沢慶太) 

 

 

 
 

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