( 291716 ) 2025/05/17 06:25:59 0 00 万博・大屋根リング
万博・海外パビリオンの建設をめぐり、下請け業者への建設費未払いのトラブルが起きていることが分かりました。
関西にある中小建設会社・A社長
(海外パビリオン下請け業者・A社長) 「非常に苦しい、つらい思いをずっとしてきている中で、万博に対して成功と言えるのか。深く考えてしまう」
関西にある中小建設会社・A社長。建設が遅れていた、ある海外パビリオンの施工を下請けとして担い、突貫工事の末、何とか開幕に間に合わせました。
しかし、完成から1カ月以上が経った今も、契約金の一部と追加工事費用が支払われていないと言います。その額、1億円以上。
(A社長) 「とてもじゃないが、弊社で抱えられる金額ではない。本当に今までこんな思いをしたことがなかった」
中小建設会社から提供
トラブルの相手は外資系の元請けX社。パビリオンのデザインと工事の一部をX社が手がけ、基礎や内装、エントランスなどほとんどの工事をA社長の会社が担いました。追加工事が発生した場合、費用はその都度、X社から支払われるという話でしたが・・・
(A社長) 「追加(工事が)発生するたびに、(X社から)お支払いしますと、意思をもらいながら工事を進めてきたのに、待てども待てもどお金がおりてこない。本当にどうしたらいいのか分からない。でも、工事は進めていかないといけない。そんな中で何カ月かずっと耐えてきた」
「不履行があった」とX社は主張
先方からのデザイン変更は続き、X社が発注した備品が期日に届かないなどのトラブルにも見舞われたといいます。開幕には間に合ったものの、予定より遅れて工事は完了。A社長が支払いを求めると・・・
(X社の回答) 「契約にある工事の一部をしていない、工事が遅れるなど不履行があった。その額は、支払っていない残りの契約金と追加工事の費用を上回る」
A社長
(A社長) 「最後、終わったらちゃんと支払いされるって信じていたので・・・」
A社長はX社に対し、不履行とされる内容や損害額の具体的な説明を求めていますが、半月以上経っても返事がありません。
別の下請け業者の社長
一緒に現場で働いていた別の下請け業者の社長も、怒りをにじませます。
(別の下請け業者の社長) 「(X社から)『ここを変更してくれ』『自分の所が終わるまで1週間触るな』とか、そういうことがあったら、工期がだんだん縮まって、間に合わなくなるじゃないですか。こちらにも落ち度はあります。段取りが悪かったりはあった。でも遅れた原因は私の所だけじゃないということを分かってほしい」
ABCテレビは、元請けX社に未払いの件について見解を求めましたが、「一切お答えすることはできません」との回答でした。
海外パビリオンの建設では、半数以上で工事が遅れるなど混乱が続きましたが、施工業者らの頑張りでほとんどが開幕に間に合いました。しかし、彼らはいま、後悔しています。
「民間同士の契約に介入することは難しい」と万博協会
(別の下請け業者の社長) 「相談窓口もない。ただ『やれ、やれ、やれ』。最後いろんなことが起きても、『うち(万博協会)は関係ありません』って、そんな馬鹿な話ありますか。当初は万博の仕事に携われる、これはうれしいことやなと考えて『頑張ってやりましょう』と思って協力した。今やったら、何であんな仕事したのかな、関わって損したなという気持ちでいっぱい」
国家プロジェクトである万博に携わって起きたトラブル。万博協会は、「民間同士の契約に介入することは難しい。現時点でこうした事案が何件起きているか把握できていない」としています。
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