自民党は企業や団体からの献金を受け入れつつも、政治資金規正法を強化する方針で合意していたが、野党との調整が難航し、改正案の提出を見送る方向に向かっている。

自民、公明、国民民主3党が企業・団体からの献金の透明性向上を図るため、献金基準額を引き下げる合意をしていたが、そのまま改正案が提出されるかは未定。

企業・団体献金の問題は現在も議論が続いており、今国会でも結論が先送りされる可能性が高い。

（要約）

企業・団体献金を巡る主張と現状 

　自民党は、公明、国民民主両党と合意した企業・団体献金の存続を前提に規制強化する案を巡り、合意内容を反映した政治資金規正法改正案の国会提出を取りやめる方向で検討に入った。国民民主が提出前に他の野党も含めた合意形成が必要と主張、調整に行き詰まった。関係者が17日明らかにした。野党5党派が提出した献金禁止法案は衆院で過半数に届かず成立は困難。先の臨時国会に続き、今国会でも企業・団体献金改革の結論が先送りされる公算が大きくなった。 

　自民、公明、国民民主3党は3月末、献金した企業・団体の名称を公開する基準額を自民法案の「1千万円超」から「5万円超」に引き下げる内容で合意。政治資金収支報告書をオンライン提出しない政党支部は献金を受け取れなくすることでも一致した。 

　自民は、献金の透明性向上を目的とした規正法改正案を既に単独で国会提出。公明、国民民主の協力を得られれば衆院で過半数に達するため3党の合意事項を盛り込んだ修正案提出を検討していた。