( 291847 ) 2025/05/18 03:56:19 0 00 “自立”のため1人暮らしすべき?
先月、GACKTがXに「若いうちに人生一度は1人暮らしをするべき」と投稿し、話題となった。
コメント欄には「1人暮らしをすることで自立心が持てる」「寂しさを知ることは人生で必要」と多くの共感が集まる中、一部からは「経済的なことを考えたら実家の方が合理的」「1人暮らし=自立になるの?」との意見もあった。
1人暮らしをする理由のアンケート調査(引越し侍)によると、3割以上が「自立するため」と回答している。果たして自立に暮らし方は関係するのか。実家暮らしでも自立はできているという当事者とともに、『ABEMA Prime』で考えた。
楽しみさん
両親(80代)の持ち家で同居する、都内在住の楽しみさん(40代)。生まれてから一度も実家を出たことがないという。「東京のすごく便利な駅で、徒歩何分のところにあるので不便がない。1人暮らしをすると、毎月何もしなくても、10万円くらい出費しちゃうのが勿体ない」。
楽しみさんは高校卒業後、両親が経営する喫茶店に正社員として就職するが、28歳のときに喫茶店が廃業し、IT業界を転々とした。しかし、IT業界が多忙なため、38歳からは自由なシフトの配達員として、現在も働いている。
自身について、「税金払ったり、お金を家に入れなければ、自立はしていないと思うが、(自分はお金を)家に入れているから、自立は実家の中でしている感じだ」と話す。
家に入れてるお金については、「3万、4万とか。家族みんなで暮らしているというより、1人1人の大人が協力して3人で暮らしている感覚だ」と明かす。もし両親から「もっとお金を入れてほしい」と言われたら、「入れる」そうだ。
今後のことは「(両親が)ボケたりしたら下の世話をしようと思っている。1人っ子で誰も家族を助けられる人がいないので、助けるという感じだ」。1人になった際には、「家具などを取っ払って、人に貸して、それを収入にしようと思っている」と述べた。
宮本みち子氏
千葉大学の名誉教授、家族社会学を専門としている宮本みち子氏は、一般的な自立について、「経済的な自立。今の生活の自立や身体的な自立。 また、精神的自立はよく言われる。社会的な仕組みの中で、自立的に振る舞うことができるもの」と説明する。
日本の1人暮らし世帯については、「どんどん増えていって、2020年で38%、2050年には44%になると言われている。半分の人は1人暮らしをする社会になっていき、一生で考えると、人生の半分は1人で暮らす。これが珍しくない状況に今ある」。
しかし、「若いときはいいが、初老の年齢に近づくと、かなり多くの人が『これでいいのか?大丈夫なのか?』と不安を感じるようになる。気持ちの問題だけじゃなく、経済的にも、住宅の問題もある。『1人が気楽だから、このままでいいや』という考え方だけだと、どこかで行き詰まる可能性がある」との見方を示す。
さらに宮本氏は、「生き方が多様化し、自立の価値観も変化している」と考え、「今の時代の難しさは、自立の形が以前のように定まっていないことだ。結婚して子供を持てば自立と、数十年前までは考えられていたが、今はそういう定義で自立を捉えられない。だから、悩みも迷いも深くなって、自分にとっての自立は何なのか、考えざるを得ない」とした。
(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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