( 292767 ) 2025/05/21 06:33:12 0 00 (ブルームバーグ): 石破茂政権は「コメを買ったことがない」発言で批判を受けた江藤拓農相を続投させる方針だ。発言を撤回したものの、夏の参院選を控えた与党にとって痛手となる。
林芳正官房長官は20日午前、江藤氏の発言について消費者・生産者双方に対して「極めて申し訳ないものだった」との認識を示した。今後は「誠心誠意、心からのおわびをした上で、農水大臣としてコメの価格高騰に対してきちんとした答えを出していただきたい」と述べた。閣議後の記者会見で語った。
コメの価格は過去一年で倍増し、備蓄米の放出後も上昇が続いている。人気飲食店チェーンもコメの価格高騰を理由に相次いで値上げを表明。共同通信の週末の世論調査でも、87%が政権のコメ価格対策に不満を示していた。7月に想定される参院選を控え、担当閣僚による江藤氏の発言はさらなる政権不信につながりかねない。
国民民主党の玉木雄一郎代表は20日午前の会見で、今回の発言で江藤氏に辞任は求めない考えを示した。ただ、コメの価格対策で「結果を出してほしい」とし、「結果が出ないのだったら進退が問われ、政権の是非が問われる問題に発展する」と述べた。参院の最大の争点の一つとの認識も強調した。
江藤氏は18日、佐賀市内で行った講演で、「支援者の方々がたくさんコメをくださる。まさに売るほどある。家の食品庫には」などと発言していた。これを受け、X(旧ツイッター)では江藤氏の名前がトレンド入りし、一部から辞任を求める声が上がった。林氏によると、石破首相は19日、江藤氏を官邸に呼び、叱責(しっせき)したという。江藤氏は発言を撤回した。
--取材協力:照喜納明美、下土井京子.
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Mari Kiyohara, Takashi Hirokawa
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