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22日、小泉新農水大臣がNスタに生出演し、コメ価格の問題に取り組むことを述べた。

コメ価格の現状や随意契約について話し、安いお米と高いお米が混在することについても語った。

また、コメ政策の中長期的な転換と組織・団体に固執しない姿勢についても触れ、国民一人ひとりを見据えた政治を模索していることを強調した。

(要約)

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コメの価格は本当に下がるのか?今、最も関心が高いこの課題に取り組むことになった小泉新農水大臣が22日、Nスタに生出演しました。 

 

■「私も本当に驚きました」 西表島ではコメ5キロ6500円 

 

井上貴博キャスター: 

Nスタの前に出演されていた日本テレビの番組では、数字の言及はなかったようです。肌感覚や数字は言いづらいと思いますが、お米5キロでどのくらいの価格を目指すという考えでしょうか。 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

「石破総理が3000円台って言うけれども、それでも高いよね」という街の方の声がありましたよね。これは大事な声です。 

 

どこの価格と比べるかというときに、1年前の価格と比べたら、やはり2000円台が多いです。地域によっても全然違います。 

 

たとえばコメの平均価格は毎週出ますが、今の平均は4200円です。そして北海道は3700円ぐらい。今日(22日)は長野の全農の店頭の価格で2990円。とうとう2000円台が出ました。 

 

ただ一方で、離島を見てみましょう。自民党の国会議員の沖縄の選出の方々にご協力いただいたところ、なんと西表島は、ある商店で6500円です。 

 

井上キャスター: 

運送費もありますし。 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

6500円には、私も本当に驚きました。 

 

与那国島は5200円、波照間島は5000円、石垣島は4900円、宮古島は4800円…。この状況を見たら、政治家は相当覚悟を決めてやらないと、離島で生活をされている方も、首都圏で毎日スーパーに行かれている方も、本当に安心してお米が買えるようになったという水準までいかないと思います。 

 

そこで昨日(21日)、今までの入札の方式をやめて、随意契約に変えるという判断をさせていただきました。 

 

今その詳細設計をしているので、詳細が固まったら、国はいくらにします、この定価で売りますといった形で言えます。もうしばらくお待ちください。 

 

出水麻衣キャスター: 

小泉さんのもとには、消費者の皆さんのさまざまな声が届いているかと思います。お米をいくらぐらいにしてほしいという声が届いていますか。 

 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

農家の方は、やはり下がるということに対する警戒感は間違いなくあると思います。 

 

一方で、消費者の皆さんは「その気持ちもわかるんだけど、今高すぎるよね」と考えていることは間違いないでしょう。 

 

今までの自民党の農政だと、過度に組織や団体の声を聞きすぎて「怒られるとまずいから、できるだけ高止まりしたほうがいい」と考えかねない傾向がありました。 

 

今、備蓄米の放出をし始めてから、なかなか価格が下がってこない。やはり高くていいという思いが、どこか自民党にあるのではないか。そういう声に対して、私は「そんなことない」「この世の中の空気を変えなきゃいけない」と思っています。 

 

農家の皆さんのご理解もいただくための説明はしっかりさせていただきますが、随意契約のいくらというものは、一定の政治判断をもって、最終的には私の判断で、農水省の職員ともデータをしっかり見たうえで、「これだったら下がる」という方向に受け止めていただけるような水準にしていきたいと思っています。 

 

具体的にいくらというのは、まだもうちょっと待ってください。 

 

井上キャスター: 

農家の皆さんも消費者も、どちらも納得できるような落としどころということですね。 

 

■「随意契約」で高い銘柄米と安い古古米が一緒に並ぶ? 

 

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 

随意契約について二点お伺いしたいです。 

 

一つは、透明度がなくなるのではないかという心配もあるので、どういう業者に委託するかという基準についてです。 

 

もう一つは、おそらく随意契約すると、古古米が出るわけですよね。たとえば、小売店に5000円の銘柄米と、非常に安い2500円の古古米が並ぶようなことがあっても、別に構わないという判断なのでしょうか。 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

星さんから今ご指摘をいただいた点は、まさに今、財務省と農水省の間で会計法に関して調整が必要なので、そこで決まっていきます。 

 

ただ間違いないのは、いま随意契約の形を詰めているなか、透明性をもってオープンにするためにちゃんと発信をしていくつもりでやっているので、決まったら、「このような形の随意契約なんだな」と思っていただけると思います。 

 

 

また、すごい安いお米とすごい高いお米が両方あるというのは、消費者の選択を増やすという意味で、私は必要なことだと思います。 

 

今は高いお米しかない、もしくはお米自体がないという状況ではないでしょうか。それを変えるには、もしかしたら、たとえば生産者の方からすると、やはり一定の複雑な気持ちになるかもしれません。 

 

ただ、そこは中長期的に見て、今までの農政とは違い、これからは「作るな」ではなく、意欲ある方、作りたいという方には作っていただく。 

 

そしてこれからまた令和7年の新しいお米も含めて、2024年度以上に新しいお米は出てくる見通しです。 

 

「これからは作ってもいいんだ」「作っていい農業になるんだ」といった中長期のことも語りながら、今この局面は、多くの消費者の皆さんがコメ離れをこれ以上起こさないように安くしなきゃいけないという思いに立って農政を進めている。 

 

それが今私がやっていることだとご理解いただけるように、直接農家の皆さんともお話をする機会を持たせていただきたいと思っています。 

 

■小泉大臣、コメ政策の方向性めぐり井上キャスターに共感? 

 

井上キャスター: 

今まさにお話にあった部分をお聞きしたいです。目先のお米の価格を下げるのは備蓄米でどうするかということですが、中長期的に小泉大臣は、日本のコメ政策をどうされたいのでしょうか。 

 

たとえば、今までは事実上の生産調整をしていました。これはそろそろ限界がきていると個人的には思っているので、やはり輸出できるように、どんどんどんどん作ってもらう。国内が緊急事態のときは、その輸出分を国内にもってくる。こうすると、「稼げる備蓄」のような考え方ができると思います。 

 

いずれにしも、そういう大転換が必要だと言われているなかで、小泉大臣はどういうふうにしていきたいのか。この部分を細かく、可能な限りお聞かせ願えますか。 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

今の発言を聞くと、井上さんに農水省にサポートで来ていただきたいと思うぐらい同じ方向性です。そういった方向性にもっと早くシフトしたかったのは、実は石破総理だったんですよね。 

 

石破総理が農水大臣だったときにそういった方向性を言ったら、農水省や農林族から抵抗があり、当時はなかなか減反廃止というところにいけませんでした。今総理となった石破総理は、私はその方向性に心を固めているのではないかと思います。 

 

そして当時の私は農林部会長でしたが、今は石破総理のご指名のもとで、森山幹事長とともに政府・与党一体となり、井上さんが言ったような方向性でやっていこうという思いでいます。 

 

まず目の前、コメが本当に下がった。そこまでやるんだといった形を持っていただければ、きっとそのあとの中長期のコメ政策の転換、農政の大転換も本気なのだと思っていただけると思います。 

 

まず目の前のコメを動かす、安くする。そして農家の皆さんにとっても安心できる将来像をちゃんと作っていく。そういったところをしっかりとやっていきたいと思います。 

 

 

■「農協に忖度しない」発言の真意と、農水族との向き合い方 

 

井上キャスター: 

今まさに途中の発言でありましたが、農林部会長のときにいろいろ改革されようとしたんだけれども、反対もあって…という経緯があります。 

 

そして森山さんともやり取りがあり、「もう農協に忖度しない」というお話をされています。別に農協が悪というわけでもないと思いますが、何が障壁になっていて、族議員のどういうことがあるのでしょうか。 

 

選挙において自民党は農業票が大票田だと思いますが、何をどう変えればやっていけるのか。10年前はなぜできなかったのか、今回なぜできるのか。そのあたり、細かくお聞かせ願えますか。 

 

小泉進次郎 農水大臣: 

農政は、自民党が消費者・生活者一人ひとりの国民よりも、組織・団体に重きを置きすぎてきた象徴だと私は思っています。これから自民党は、国民一人ひとりを見ていかないといけません。 

 

組織・団体と近い距離で、その方々の声を聞いていれば、その団体や組織に属している大勢の皆さんもついてくるという時代ではもうなくなったということです。私はこの発想の転換ができるかが、農政にかかっていると思っています。 

 

当時私が部会長だったときと比べても、やはり今、国民の皆さん一人ひとりが多様な考え方、価値観を持っています。そして今までより、やはり組織に属している方も減りましたよね。 

 

高齢化もあって、組織・団体の選挙における集票力なども相当落ち、弱体化しています。今までどおりやっていればそれなりに選挙も勝てた、権力を維持できたという時代では、間違いなくないです。 

 

組織・団体に拠って立つ政党ではなく、農業の改革をしっかりやりながら、自民党自身がモデルチェンジをして、全国各地で生きている働く方々、それぞれの仕事を誇りを持ってやって地域で生きている方々、そういった一人ひとりに拠って立つ政党になり、「これが新しい自民党なんだ」と生まれ変われるかどうか。 

 

その試金石が、この農政の今置かれている状況にあるのではないかと私は思っています。 

 

 

 
 

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