( 293667 )  2025/05/24 07:22:36  
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MBSニュース 

 

世界遺産「仁和寺」の門前で進む高級ホテルの建設計画をめぐり、景観や住環境が悪化するおそれがあるとして、住民らが京都市に建設の特例許可の取り消しを求めた裁判で京都地裁は原告の訴えを退け、許可取り消しを認めない判決を、言い渡しました。 

 

訴えによりますと、仁和寺の目の前にある高級ホテルの建設予定地は本来、環境への配慮などから建設できる建物の面積が3000平方メートル以内に制限されています。 

 

一方、今回予定されているホテルの面積は約5800平方メートルですが、建設事業者と地元の協議会が話し合いを重ねた結果、京都市は「住民の環境を害さない」などと判断。 

 

2023年、特例で建設許可を出したということです。 

 

訴えを起こした仁和寺周辺に住む住民ら51人は、「協議を行ったのは一部の住民らにすぎず、合意形成はできていない」と主張していて、「ホテルが建設されると、騒音や宿泊客のマナー違反などによって住環境に被害が生じる」として、京都市らに対し建設許可の取り消しなどを求めていました。 

 

京都地裁は23日の判決で「事業者が特例許可の条件を守った場合、交通量の増加率は約1%にとどまると予想されることなどから、本件ホテルによって『住環境を害するおそれがない』と評価することは明らかに合理性を欠くということはできない」などとして、原告の訴えを退けました。 

 

判決を受けて原告側は控訴する方針だということです。 

 

判決後、原告らは会見を開き、「第一種住居地域どこでもオーバースペックなホテルを建てることができる、そういった結論を今日の判決で言っていた。そのことに非常に憤りを感じています。50年後も100年後も京都が京都であるために、景観政策でこういったスローガンを掲げている以上、今回のような行為を認めてはいけない」と話しました。 

 

 

 
 

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