( 295848 )  2025/06/02 04:16:22  
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インタビューに応じる河野太郎元外相=30日、東京都千代田区(酒巻俊介撮影) 

 

河野太郎元外相は5月30日、産経新聞のインタビューに応じ、埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人らが難民認定申請を繰り返している問題で、河野氏がトルコ国籍者の短期滞在の査証(ビザ)免除停止を外務省へ求めていることについて「外務省は逃げ回っている」と明かした。その上で「ビザは外交だけでなく治安の問題でもある。自民党内で現在、ビザの権限を外務省から法務省へ所管替えする提案がなされている」と述べた。 

 

■よいところだけ外務省 

 

河野氏は先月12日、「川口市のクルド人」と題したブログ記事で「抜本的な不法就労対策として、トルコ国籍者のビザ免除停止を外務省に強く申し入れている」としていた。 

 

河野氏は川口のクルド人について「入管や川口市はじめ行政が一生懸命対応しているが、観光目的でビザなしで入国して難民申請し就労するパターンが増えている」と指摘。「昨年10月のデジタル相退任後、外務省に対して、難民申請が一定数を超えたらビザ免除を止めるべきだとずっと言っているが、外務省は逃げ回っている」と明かした。 

 

その上で「ビザ免除は二国間外交である一方、国内社会の治安問題でもある。入国管理と在留管理の大変なところは法務省がやっているのに、ビザ免除やビザ申請など相手国へのよいところだけ外務省というのはおかしい」と語った。 

 

■法務省へ移管を党内で提案 

 

川口のクルド人問題などでは先月23日、法務省が「不法滞在者ゼロプラン」を打ちだした。中国人らの外国免許切替(外免切替)問題では警察庁が22日、観光ビザで滞在する住民票のない外国人の切り替えを認めない方針を表明した。 

 

河野氏は平成29~令和元年に外相を務めており、なぜ外務省は動かないのか尋ねると、「それは外務省に聞いてください」。その上で「自分が外務大臣なら、もうやっている」とつけ加えた。 

 

河野氏は「自民党内で現在、ビザについての権限を外務省から法務省の出入国在留管理庁へ移管するという提案がなされている」と明かし、「どのくらい前向きな議論になるかはこれからかもしれない」と語った。 

 

■受け入れは「能力」で 

 

 

河野氏は平成17~18年に法務副大臣を務めた際、外国人の不法就労や日系ブラジル人の問題に直面したという。 

 

「当時、人手不足で南米を中心に日系人を受け入れたが、日本人の血が入っているというだけで日本語が話せず、日本社会になかなか溶け込めないでさまざまな問題が起きてしまった」と振り返り、受け入れの際は日本語などの「能力」で選別することの重要性を訴えた。 

 

河野氏は「現在、在留外国人が400万人近くまで入ってきたが、なし崩し的に外国人を増やしてしまったのは、少し反省しなければならない。日本は『移民政策の議論はしない』と言いながら、難民申請など『裏門』からは勝手に入れる状況が続いてきた。やはり裏門は閉じた上で、きちんと表門から認められた人を受け入れるようにしていかなければならない」と述べた。 

 

 

 
 

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