( 296543 )  2025/06/05 03:14:55  
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兵庫県知事選の告示日に街頭演説した立花孝志氏=2024年10月31日午前、神戸市中央区 

 

 昨秋の兵庫県知事選をめぐり、SNSの投稿で名誉を傷つけられたなどとして、県議から刑事告訴された政治団体「NHKから国民を守る党(現・NHK党)」の立花孝志党首(57)について、県警は4日、名誉毀損(きそん)と脅迫、威力業務妨害の疑いで神戸地検に書類送検した。 

 

 捜査関係者への取材でわかった。県警は起訴を求めるかどうかの「処分意見」を明らかにしていない。 

 

 書類送検とは、告訴や告発を受理するなどして任意で捜査した結果を、証拠資料などとともに検察官に送る手続き。今後は神戸地検が捜査し、刑事責任が問えると判断すれば、起訴して裁判にかけるか、罰金を求めて略式起訴することになる。一方、不起訴処分と判断すれば、罪には問われない。 

 

 告訴した奥谷謙一県議(39)は、斎藤元彦知事らの内部告発問題を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員長だった。一方の立花氏は知事選に立候補し、自身の当選を目的とせず斎藤知事を応援する「2馬力選挙」を展開した。 

 

 捜査関係者によると、書類送検の容疑は、知事選が告示された昨年10月31日から11月1日の間、斎藤知事らを内部告発した元西播磨県民局長の死亡をめぐり、原因を奥谷県議が隠蔽(いんぺい)したなどとする内容をX(旧ツイッター)などに投稿し、奥谷県議の名誉を毀損したというもの。 

 

 同3日には奥谷県議の自宅兼事務所前で街頭演説し「出てこい奥谷」「あまり脅しても、自死されても困るのでこれくらいにしておきます」などと述べて脅し、業務を妨害した疑いがある。 

 

 奥谷県議は名誉毀損容疑で告訴し、脅迫と威力業務妨害容疑で被害届を出していた。書類送検を受けて、4日に「引き続き推移を見守りたい」とのコメントを出した。 

 

 立花氏は、これまでに県警から2度、任意聴取を受けたことを会見などで明らかにしていた。 

 

 4日にはユーチューブ動画を投稿。奥谷県議に関する投稿について「真実、あるいは真実相当性がある」と主張。街頭演説も「長い時間でもなく、恐怖を感じるような演説内容ではなかった」として、「無罪を主張する」と述べた。 

 

 今夏の参院選では兵庫選挙区(改選数3)からの立候補を表明している。(根本快、新屋絵理) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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