( 296573 )  2025/06/05 03:48:57  
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インターネット上の性的な広告については問題視する声が大きい(写真はイメージ)=2024年9月19日、福富智撮影 

 

 インターネット上の性的な広告(エロ広告)を巡り、電子書籍配信大手の業界団体「日本電子書店連合」が4月末から、子供も閲覧できるサイトを対象に、性的表現が描かれた漫画の広告配信を停止していたことが明らかになった。性的広告への社会的批判の高まりを受け、業界として対応に乗り出した形だ。 

 

 同連合には「コミックシーモア」「めちゃコミック」「まんが王国」「Renta!」などの電子コミック配信サービスを手がける大手11社が加盟する。加盟各社が配信を停止したのは、ゲーム攻略法やレシピなどの全年齢向けサイトへの、性行為や裸、局部などが描写された電子コミックの広告だ。 

 

 広告・表示に関しては、民間の自主規制機関「日本広告審査機構(JARO)」が、消費者からの苦情や意見をもとに審査し、問題があると判断した場合は広告主へ改善を促している。 

 

 JAROによると、以前から性的広告に関する苦情は寄せられており、2024年度下半期に目立って増加。一定量を超えたため、個別の会社への指摘に加え、4月に入って同連合にも改善を促したという。 

 

 これを受け、同連合は緊急会合を開催。「子供の目に入ったときに適切ではない」という統一的な配信停止基準を設け、全年齢向けサイトへの性的広告の配信を4月30日から停止した。同連合は取材に「社会的な批判があり、国会で議論になったことも承知している。業界全体の健全な発展、広告の適正化に向けて、今後もしっかり自主規制をしながら取り組んでいく」とコメントした。 

 

 JAROによると、5月以降は同連合加盟社の性的広告に関する苦情はなくなった。ただ、加盟社以外の電子コミックや、漫画以外の性的広告への苦情は引き続きあるという。JAROは「出し続けている社には、苦情が一定量以上になれば内容をお伝えしていく」としている。【町野幸】 

 

 

 
 

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