( 296668 )  2025/06/05 05:36:14  
00

日テレNEWS NNN 

 

小泉農林水産相は、備蓄米を食用としてだけでなく酒造用などとしても放出することを検討していると明らかにしました。コメの価格高騰は、食用でもまだ続いているのになぜ、備蓄米を酒造りに使うという話が出てきたのか、日本テレビ経済部・農林水産省担当の戸田舜介記者が解説します。 

 

    ◇ 

 

ことしの酒米、日本酒を造るために使われるコメが確保できない可能性が出てきたからです。そもそも、コメの使い道は様々で、一番多いのは、普段の食卓で使われる「主食用」ですが、それ以外にも日本酒を造ったり、みそやせんべいなどを作るための「加工用」としても使われています。 

 

日テレNEWS NNN 

 

加工用のコメは主食用のものと分けて生産されていますが、ことしは主食用米の値段の高騰が続いているので、生産者から「それならことしは酒米を作るのはやめて、主食用のおコメを作った方がもうかるんじゃないか」との声が出ています。 

 

そうなると、日本酒やみそ、せんべいなどを作るコメが足りなくなるという危機感が出ているわけなのです。 

 

備蓄米はすでに、主食用として61万トンの放出が決まっていますが、残りのおよそ30万トンをどう使うかが焦点となっていました。関係者によりますと、政府は酒米などにその一部を活用する方向です。 

 

日テレNEWS NNN 

 

――主食用に向けては十分に放出できたという考えなのでしょうか? 

 

小泉大臣としては、制限をもうけず放出するという考えはあるのですが、中小のスーパー向けの随意契約は申し込みの上限には達していないのが現状です。 

 

一方で、酒造用と加工用のおコメも足りなくなるのではないかという切実な声があがってきていて、これにも応える必要が出てきたと考えたわけです。 

 

ただ、複数の農水省関係者が、放出する量について「そんなに大した量にはならない」と述べていて、主食用米への影響はないとみられます。 

 

しかも、農水省内には、「いま残っている備蓄米は古いコメ。酒に使えるかどうかはわからない」という声も出ていて、まずは、小泉大臣自ら、酒造りに関わる人などから話を聞いて判断したい考えです。 

 

 

 
 

IMAGE