( 296793 )  2025/06/06 03:05:05  
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小泉進次郎農相(2025年5月) 

 

 5日に放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に、元JA全中常務理事で「新世紀JA研究会」常任幹事を務める福間莞爾氏が生出演した。 

 

 小泉進次郎農相が行っている随意契約による政府備蓄米の流通のスピード感に比べ、過去3回、一般競争入札で政府からJAなどの集荷業者に引き渡された備蓄米が店頭にほとんど並んでいない問題について、持論をまじえて反論した。 

 

 この日の放送では恒例のパネルコーナーで「元JA全中常務理事が語るコメの適正価格とJAの実情」をテーマに、出演者が討論。その中で、一般競争入札と随意契約の政府備蓄米の流通を比べ、スピード感の「格差」が取り上げられた。一般入札による備蓄米は、約21万480トンが引き渡されてから2カ月後の5月11日時点で、小売りに届いたのが3万トン弱で、全体の12・9%にとどまっていることを伝え。政府から直接小売業者に売り渡される随意契約による備蓄米放出の手法は「JA外し」とも言われていることを含め、入札備蓄米が市場に並ぶのがなぜ遅いのか、福間氏に質問が飛んだ。 

 

 これについて福間氏は「随意契約のもの(の流通)は、政府専用の『高速道路』みたいなものにした。最初5キロ2000円で値決めして、普通はそういうことはありえないが、『高速道路』の料金(輸送料)も政府が持つと。卸値は1万700円で、今の卸価格の半分以下。政府専用の『高速道路』を使えば早くなるのに決まっている」と主張。「(通常)値決めをするのは小売店だが、今回は超安値で(政府によって)値決めされている。これと流通の実態がごっちゃにされているので、中抜きしているのではないかという話になっている。そういうのは全然、見当違いだ」とも訴えた。 

 

 また「これ(随意契約の備蓄米)は政府専用の『高速道路』で、(予定量の)30万トンがなくなれば、この仕組みは世間から一切なくなり、元の流通に戻るだけだ。これ(随意契約)は、30万トンに限ってやっている。なくなれば高速道路そのものがなくなる。元の流通経済に戻る」とも述べた。 

 

 

 

 「『全農が買い占めをしているではないか』という話だったが、そんなことは全然ない」と述べ、過去3回の入札備蓄米でJAが約29万6195万トンを落札し、これが全体の95%に当たると説明されたことに触れ「生産者のために買い支えをして、通常より少し安いけれど買いましょうと。(JAが)ためているという話があるが、全部、卸業者に渡っている」として、JAの「買い占め」批判にも反論した。 

 

 ここで、番組MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「では、なんで店頭に流通しているのが12・9%なんですか?」と素朴な質問をぶつけた。これに対し福間氏「それは店頭にあるお米の姿(の量)。その前に外食産業とかなんとかで、お米は大量に使う。そういうのは店頭分にはカウントされない」と説明。羽鳥は「ふうーん」と口にした。 

 

 福間氏は「いろんな事情で中間にとどまっているのはあると思う」と認めた上で「(随意契約備蓄米の流通の)『高速道路』のように、ぱぱっといく仕組みに(一般入札備蓄米は)なっていない。新しい仕組みを入れるのですから、いろいろな手間ひまがかかります。それをもって『不合理な流通ではないか』と言われるのは、ちょっと当たらないと思う」と述べ、理解を求めた。 

 

 

 
 

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