( 297253 ) 2025/06/07 07:03:01 0 00 日テレNEWS NNN
随意契約による備蓄米の販売が開始されてから7日で1週間です。徐々に日本各地で販売され始めています。小泉農水大臣は備蓄米の在庫がつきた場合には外国産米の“緊急輸入”も選択肢だとの考えを明らかにしました。
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備蓄米は全国各地で着々と並び始めています。
小泉農水相 「6月下旬から7月にかけて、相当な(備蓄米の)量が世の中、市中に出回っていく。聖域なくあらゆることを考えて、コメの価格の安定を実現していく」
そう語る“コメ担当大臣”の次なる一手は、「緊急輸入」だといいます。
小泉農水相 「緊急輸入、他の産品を見れば足りない時は当然やっている。鳥インフルエンザで卵がないといったら、ブラジルから卵を入れている。一般的にやられていることが、コメについてはどうなんだ。聖域化、タブー視、今までずっとあったんじゃないですかね」
備蓄米が底をついた場合、緊急輸入も選択肢として、一時的に外国産の安いコメを輸入する考えを示しました。
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日本のコメの生産者たちは、現状をどう思っているのか。およそ2000の農業法人が属している団体は、コメ生産者に聞き取ったアンケートを小泉大臣に手渡しました。
日本農業法人協会会長 「ほとんどの人(生産者)が、今のコメの価格は高いとはっきり言っている。コメが足りない分を(備蓄米で)供給してくれていること自体は、全く異論は出ませんでした。今、2000円で安いんじゃないかという話も出ていますが、令和4年(2022年)産はそのレベルなので、みなさん納得」
小泉農水相 「備蓄米の2000円での放出に対しての不安をお持ちなのではないかということに対して、今は高すぎると、そこ(2000円備蓄米)に対しては異論はないと。そういったお声をいただいたのは、勇気づけられること」
生産者への支援を強化する考えを伝えました。
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小泉大臣による備蓄米の「随意契約」が発表される前の調査では、むこう3か月のコメの価格について、生産者や卸売業者の間で「高い状態が続く」との見方が強いことがわかりました。では小泉大臣就任後は、どうなりそうなのか。
1日200個以上のおにぎりを販売している店に聞いてみました。
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おにぎり屋かわしま 川島亮人店長 「定期的に農家や米屋から値上がりの話は来るので」
農家などから値上げを通達される度、安いコメを求めて取引先を変えてきました。しかし、すでに10月以降の新米についても、値上げの通達がきているというのです。
おにぎり屋かわしま 川島亮人店長 「今使ってる農家も、10月にまた値上がりすると言われてる」
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コメの価格をどう落ち着けていくのか。小泉大臣が今、検討しているのが、備蓄米の新たな使い方です。
埼玉・草加市の名物“草加せんべい”。せんべい店は、高騰するコメを節約しながらつくっていました。
いけだ屋 池田彰社長 「コメが高いから、最後の最後の1枚まで絞り出して」
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ここでは費用が抑えられるため、以前からせんべいづくりに加工用の安いコメも使用していました。
いけだ屋 池田彰社長 「加工用に備蓄(米)を出していただけると、ようやくチラッと出てきたので、今、期待しています」
4日に小泉大臣が、“倉庫に残っている備蓄米を主食用ではなく加工用として使うことを検討している”と発言。備蓄米をせんべいなどに使えないか、というのです。その発言の背景にあったのは…
いけだ屋 池田彰社長 「主食用(のコメ)をつくった方が得だ、儲かるみたいなところで、加工用米をつくる農家が今年は、だいぶ減った話を聞いている」
これまでは政府からの補助金が出ていたため、加工用のコメをつくることを選ぶ生産者もいたのですが、主食用の高騰が続くため、生産者が“主食用づくりの方が儲かる”と考え、加工用の生産者が減ってきているというのです。
そのため、加工用のコメの仕入れ価格が…
いけだ屋 池田彰社長 「加工用に関しては、去年の秋口で(仕入れ値)35%上がりました。さらに(今後も)上がる話は関係各所から言われていて、ドキドキですよね」
仕入れ値上昇に耐えられず、去年はせんべいの販売価格を1割値上げ。そんななかでの、“備蓄米を加工用に”という“小泉案”については…
いけだ屋 池田彰社長 「うれしいですよ、値段を抑えられますから。どう考えても今の相場は高すぎだろうと」
主食用以外にも広がる余波。小泉大臣が目指す価格の安定は、実現できるのでしょうか。
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