( 297558 )  2025/06/08 07:38:56  
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中居正広氏(C)ピンズバNEWS 

 

 中居正広氏(52)の「性暴力」があったと認めたフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビが設置した第三者委員会に対し、中居氏側の代理人弁護士らが中居氏の人権擁護のため、「性暴力」と認めた“証拠”の開示を再三求めている。一連のやり取りのなかで6月3日、第三者委員会は「二次被害を与える危険性があることを懸念」などとして、開示はもとより今後のやり取りは差し控えると回答した。 

 

 そんななか、6月5日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で、中居氏とのトラブルがあったA子さんが極めて親しい友人に吐露していた苦しい胸の内が掲載され、話題になっている。 

 

「A子さん(文春ではX子)は親しい友人に、橋下徹氏や古市憲寿氏はA子さんや彼女の代理人に聞くこともなく、中居氏側の発言を一方的に信じているとし、《加害者側から聞いた話を事実だと思い込んで社会に言い触らしています。声が大きいから信じる人も一定数いる。橋下徹さんの『失恋事案』発言が独り歩きして、誹謗中傷、脅迫が止みません》と語っているといいます」(ワイドショー関係者) 

 

 中居氏をめぐる第三者委員会の対応を猛批判しているのが、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(55)と社会学者の古市憲寿氏(40)。“失恋事案”とは何かというと──前出のワイドショー関係者が説明する。 

 

「5月22日に橋下氏は自身のXで、中居氏や、中居氏の代理人弁護士以外の関係者からの問い合わせに応じたことを明かし、自身の発言は《世間からすると中居氏擁護のための発言のように感じられるかもしれません》《あくまでも僕自身の見解》としつつ、《僕の把握している事実を基に、僕が法律家として中居氏の行為を評価すると『性暴力』にはあたらないという結論になりました》とコメント。 

 

 さらに、《仮に相手方女性が意に反したと言ったとしても、そのことだけで第三者委員会が中居氏を性加害者として断罪できるわけではありません》《そのようなことを許してしまえば、いわゆる失恋事案においても、後に意に反していたと相手方女性から主張されただけで社会的抹殺にも等しい最も厳しい制裁が加えられることにもなりかねない》と述べました。 

 

 A子さんが主張しているのは、この発言が独り歩きした結果、まるでA子さんが中居氏に失恋したかのような話になり、誹謗中傷が多数寄せられたということですよね」 

 

 橋下氏は6月5日の午後、Xで《僕は本件自体を失恋事案とは言っていない。男女の気持ちの行き違いの事案だと》と説明。さらに、《相手方の内心だけで不同意・同意を決めれば失恋事案でも後に責任追及を受けてしまうと一般論を言ったまで。また、僕が中居さん側からの事実しか聞いていないと女性側は言われているようだが、そうであれば女性側から事実を聞いてもいい。中居さん側、女性側から事実を聞いて、性暴力にあたるかどうか判断したい。フジテレビ第三者委員会よりも、よほど的確に評価できる自信はある》と綴った。 

 

 その2日前、6月3日に第三者委員会が先の“やりとり差し控え”の回答を出した同日には、強い言葉でこう糾弾していた。 

 

《中居氏の人権への配慮が皆無な時点でフジテレビ第三者委員会は中居氏にとって中立でも最終決定権者でもない。勘違いも甚だしい》 

《証拠の開示もなく、ある人間の行為を性暴力認定するなど、検察組織や裁判所でもやらない。フジ第三者委員会は何様だ?》 

 

 また時を同じくして中居氏と共演経験があり、親しかったことを公言している古市氏も、自身のXで第三者委員会に対して《迷走していますね》とバッサリ。 

 

《「二次被害」というマジックワードを武器に、説明責任から逃げ続けるなら、第三者委員会の信頼性そのものが失われかねない》 

 

 と、第三者委員会の存在自体を疑問視した。 

 

 

《加害者側から聞いた話を事実だと思い込んで社会に言い触らしています。声が大きいから信じる人も一定数いる》文春に掲載されたA子さんの傷心。確かにSNSでも、A子さんが指摘するような意見は見られるが——。 

 

 SNSでも大きな影響力のある識者の今回の発信は、どう捉えるべきなのか——。元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士に見解を聞いた。 

 

 西脇弁護士は「識者が意見を述べるなら、まず自分の立場を発信の度に明確にすべき」と言う。 

 

「橋下さんは中居氏側から相談を受けるなど中立ではないことを明示していて、“擁護のように感じられるかもしれない”という断りも入れていますが、古市さんは立場をはっきり説明していない。中居氏側との現在の関係を明らかにしてものを述べるべきです。“フラットな立場での識者”なのかを明確にしないと誤解を招く。その上で、中居氏の反論文書も、お二人の主張も、言い分が”無茶”だと思います」(西脇弁護士=以下同) 

 

 何が「無茶」なのか。 

 

「言葉づかいは激しいのですが、筋道だった理屈や法的根拠は見当たらないのです。中居氏の文書は『人権救済』を訴えながら、具体的に中居氏のどの人権がどう侵害されているのか、法的な根拠が書かれていない。 

 

 古市さんは6月3日の投稿で第三者委がWHOの基準を使ったことを“恣意的”としていますが、国際基準を使うことのどこが“恣意的”なのか不明。また橋下さんは第三者委が“中立ではない”と主張していますが、第三者委は中居氏とも女性とも利害関係はないはずで、それを否定する根拠は示されていない。 

 

 一方で、両者とも《迷走》《勘違い》といった感情的な言葉を多用して、SNSなどの炎上を招きやすくしています。 

 

 十分な理屈や根拠がなく中居氏側の反論文書を擁護して話題が大きくなると、火に油を注ぎ、間接的に女性側に二次被害という副作用を招く可能性が高まります。もちろん言論は自由です。ただし、公開の場での発言には責任が伴います。特に二次被害の恐れがある場面では、慎重な表現が求められるはずです」 

 

 

 6月3日に古市氏はXで、 

 

《「二次被害」を理由に回答を拒否するなら、そもそも3月31日、報告書も関係者だけに開示して、世間に公表しなければよかった》(※編集部註:3月31日に第三者委員会が公表した報告書。そこで中居氏の行為は「性加害」と認定された) 

《「二次被害」というマジックワードを武器に、説明責任から逃げ続けるなら、第三者委員会の信頼性そのものが失われかねない》 

 

 などと持論を展開している。性暴力の証拠を開示することで二次被害が生まれる可能性があるゆえ、開示を《差し控える》ことは“武器”と言えるのか——。 

 

「性的な『一次被害』があって、(当事者および関係者の)対応に問題があったのなら、これを世に問うのは正当な行為。これに心無い『二次被害』を起こすほうが悪いし、それをできるだけなくそうとするのは当たり前です。これに対して“二次被害がいやなら、そもそも公表するな”と言うのは、“本末転倒”な意見でしょう」 

 

 第三者委員会からの“シャットダウン”を受けた形の中居氏だが、果たして今後、どのような動きを見せるだろうか——。 

 

ピンズバNEWS編集部 

 

 

 
 

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