( 297613 )  2025/06/09 03:34:41  
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All Nippon NewsNetwork(ANN) 

 

東京・板橋区にあるマンションの住民が、新たにオーナーとなった会社側から2.5倍を超える家賃値上げを通告された問題。番組が、中国にいるオーナー本人を直撃すると、値上げを撤回すると明言しました。 

 

■独自 家賃2.5倍値上げ“無届け”民泊も 

 

(マンションの住民(50代))「7万2500円が、私の場合は19万円に値上げという通知だったんです。これを見まして当然みんな驚いたわけですよ。」 

突然通告された家賃の大幅な値上げを巡り、オーナー側と住民がトラブルとなっています。 

(草薙和輝アナウンサー)「7階建ておよそ20世帯が入る築40年を超えるこちらの建物がトラブルとなっているマンションです。事の発端は今年1月、住民のポストに投函された1枚のビラが始まりだったといいます。」 

「近年公共料金をはじめ諸物価の上昇に伴い、諸経費が増加してまいりました。止むを得ず値上げせざるを得ない状況となりました。」 

(マンションの住民(50代))「これ一体どうなっているんだと、冗談じゃないかと、元の家賃からしますと260%~320%くらいの値上げという形になりますので…」 

こちらの男性は1DKの部屋に30年間住み、これまで家賃は上がらなかったといいます。なぜ、2.5倍を超える値上げを通告してきたのでしょうか? 

(マンションの住民(50代))「我々が知らないうちにこのマンションの所有権が移って、そこで我々、事態がどうなっているのか気が付いたんですよ」 

現在、マンションを所有する会社の情報を見ると、中国に住む人物が代表者の1人として記載されています。住民は弁護士などに相談。値上げを拒否する内容証明を送る等、対策を取りましたが、何の返信も無いといいます。 

さらに、2月に入ると… 

「中国人ですか?」 

「はい」 

「チェックインですか?」 

「はい、今日です」 

「あとで鍵をボックスに入れておきますから。パスワードご存じですよね?」 

大きなキャリーケースを携え、部屋の前に現れた人物…撮影した住民によると、外国人観光客が民泊目的でマンションに入って来た映像だといいます。 

(マンションの住民(50代))「見たこともない、大きな荷物、キャリーバッグをガラガラ引きずった人たちが入って来るようになったんです。これ民泊に違いない、でも無届けなんです。」 

観光客向けの民泊情報サイトでは、このマンションの一室が、1泊2万5000円ほどで貸し出されていました。しかし、板橋区に確認すると、民泊業者として必要な届けが出されていませんでした。 

(マンションの住民)「民泊やるなら届けを出して」 

(オーナー側)「あ、役所に?え?たぶんこれ手続きやってますでしょ」 

(マンションの住民)「してないよ」 

(オーナー側)「してない?え?」 

 

■エレベーターも“停止” 

 

トラブルはさらに… 

(マンションの住民)「動かないんですか、壊れているんですか、エレベーター」 

(オーナー側)「そうそう。エレベーターさんをチェックして、いろいろ部品ね、全部古いでしょ、全体的に、だから交換は必要…」 

(マンションの住民)「きのうまで使えていたんですよ」 

(オーナー側)「今はまだ調べ中。なんか部品が皆安全のため。私も分からない」 

5月中旬からエレベーターは止められたまま。住民はマンション外側に設置された非常階段の使用を強いられています。最上階の7階に住む70代の女性は… 

「大丈夫?」 

(最上階(7階)に住む70代女性)「痛いよ足が」 

「足が痛い?ゆっくりね…気を付けて」 

「膝が割れそう…よいしょ…ちょっと待って…ふーふーふー」 

また、住民は家賃以外に数千円の管理費を払っていますが、ゴミ出しや清掃などを自ら行っているといいます。住民によると、オーナーが変わる前は20世帯が住んでいましたが、今回のトラブルで5世帯がすでに退去、4世帯が来月退去する予定だといいます。ただ、高齢の住民にとって引っ越しは大きな負担です。 

(マンションの住民(50代))「(値上げと民泊の影響で)ご夫婦そろって、逃げるように引っ越した方がいる」 

(マンションの住民(70代))「(高齢の夫婦は)お2人で『どこも貸してくれない。どこ行っていいか分からない』っておっしゃっていました」 

 

■中国人オーナー直撃でまさかの発言 

 

番組はマンションを所有する会社を取材、代表者として名前が記載されているうちの1人と話をすることができました。すると… 

(会社の代表とされる中国人)「私は名義を貸しているだけで決定権もなく、経営には参加していない。できるだけ早く(登記簿から)名前を外したい」 

値上げの通告はおろか、マンションを購入したことも知らなかったという、この人物。事実上のオーナーは中国に住む、もう一人の代表者だと語りました。さらに取材を続けると、その中国人オーナーに接触することができました。 

(マンションの中国人オーナー)「日本に長期滞在しているわけではなく、香港などで不動産投資をしていた。それらの場所では、家賃を2.5倍に値上げすることは普通のことです。マンションをきれいにして、良い環境を住民に提供するためです。」 

香港などでは、家賃の大幅な値上げも珍しくないと語るオーナー。しかしこのあと、予想外の発言が飛び出します。 

(マンションの中国人オーナー)「反発が大きいと聞いたので、家賃の値上げはやめます。来週月曜日(あす)にでも通知を出します。」 

 

■オーナー“値上げ撤回” 

 

まさかの値上げ撤回。エレベーターも近く再開できるといいます。さらに、民泊に関しては… 

(マンションの中国人オーナー)「民泊をやるつもりはありません。厳しく調査し、完全に止めます。住民と接触する機会があれば、『大変申し訳ない』とお伝えいただければと思います。」 

突然の値上げ撤回に、マンションの住民は… 

Q.オーナーが家賃の値上げを撤回すると言いましたが? 

(マンションの住民(70代))「そうなんですか?信じられない…」 

困惑する住民…まだ安心はできないといいます。 

(マンションの住民(50代))「どこまで信用していいのか。書状で来るのか封書で来るのか、分からないですが。」 

Q.これでよかったという気持ちではない? 

「ないです。」 

「『よかったですね』とは逆に行かなくなってしまった、我々は」 

「苦労して引っ越された方たちのことを考えると、引っ越す必要は無かったってことになりますよね、だから今聞いても信じられない…」 

 

6月8日『有働Times』より 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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