( 297648 )  2025/06/09 04:12:39  
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橋下徹氏(2023年7月撮影) 

 

 大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は8日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、小泉進次郎農相が進める随意契約による政府備蓄米放出に端を発した、今後のコメ政策のあり方をめぐる議論についてコメントした。 

 

 進次郎氏は6日の閣議後会見で、政府備蓄米放出後もコメ価格高騰が続いた場合の対応について「緊急輸入も含めてあらゆる選択肢をもって向かいたい」と述べ、外国産米の緊急輸入の選択肢も排除しない考えに踏み込んだ。一方、番組ではこうした進次郎氏の考えに「かなり(今後の選挙に)大きなところがあるんじゃないですか」と、近づく参院選への「農業票」の影響に言及した生産者のコメントも紹介。選挙が近づく中、進次郎氏の政策が消費者、生産者双方の理解を得られるものになるのかと、問題提起した。 

 

 キャスターの1人、フジテレビの梅津弥英子アナウンサーに「選挙を挟んで、どこまで踏み込めるかということでしょうか」と問われた橋下氏は「(コメの)流通が不透明化しているということで、今回、コメの価格が上がっていても生産者の方にはお金が回っていないんですよ。ここは問題です。やっぱり、開放、透明化というところが重要」だと指摘した。 

 

 また「輸入ということを僕は今日、(番組で)これだけ言ったので、農家さんから大激怒されているかも分かりませんが、僕は、将来に希望がある、若い人が集まってくるような農業、農家さん、産業化というところは、今の農家さんが次のところを見すえて考えていただきたい。そこにぼくは、1つ、輸入というのも1つのキーワードだと思います」と、あらためて持論を訴えた。 

 

 番組前半には岸田文雄前首相が出演し、現在のコメ政策について橋下氏らと討論。橋下氏は、現在のコメ流通のあり方への評価を念頭に「閉じた業界はブラックボックスになる。僕は開いていくべきだと思っている」とした上で「輸入の話は、森山(裕・自民党幹事長)さんはじめ、外国産米に頼ると国の安全保障を害すると言うが、むしろ日本は輸入で成り立っている国だ。同盟国のアメリカのコメを輸入して、何が食料安全保障を害することになるのか」と疑問を呈し、輸入に慎重な自民党幹部の意見に疑問を唱えた。 

 

 これに岸田氏は「コメっていうのは歴史があり、国民の主食としての位置づけがある。流通ももちろん大事ですが、国民にとってセンシティブな問題。国民感情に触れる微妙な問題でもあるからこそ、もし、政策を変える、進めるとなったら、より説得力がある説明をしないといけない問題」と応じた。 

 

 橋下氏が「感情的(な部分)だけで(政策遂行を)進めると、国の安全保障を害する」と訴えると、岸田氏は「もちろん、もちろん」と応じた。 

 

 

 
 

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