( 297978 )  2025/06/10 05:16:01  
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記者団の取材に応じる石破茂首相=9日午後、首相官邸(春名中撮影) 

 

石破茂首相(自民党総裁)は9日、自民の森山裕幹事長ら党執行部と国会内で会談し、2040年に平均所得を5割以上増やすことを夏の参院選の最重点公約として明記するよう指示した。名目の国内総生産(GDP)は1千兆円を目指す。新たな経済目標を示すことで、物価高対策として消費税減税を掲げる野党各党との対立軸とする構えだ。 

 

首相は森山氏や小野寺五典政調会長、木原誠二選対委員長、松山政司参院幹事長に対し「強い経済を必ず実現するという方針で、公約作りを進めてほしい」と指示した。首相は会談後、「物価上昇を上回る賃上げを実現することで、国民に安心感を持ってもらう」と官邸で記者団に語った。 

 

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円。名目GDPは6年には約609兆円に上り、年単位で初めて600兆円の大台に乗った。 

 

首相は賃上げをさらに進めることで「社会が安定し、大企業や中小・小規模事業者、スタートアップといった多様な民間の新たな挑戦や投資を生み出し、力強い経済成長につながる」と強調した。 

 

また、参院選の公約を巡り、自民内では物価高対策として所得制限を設けない現金給付を実施する案も浮上している。木原氏は9日に静岡市で開かれた党会合で「実効性のある給付」を検討すると明らかにした。その上で「物価高で苦しんでいる時に国の税収だけが伸びているのはおかしい。しっかり還元していくことも大切だ」とも述べ、税収増分を財源とする意向を示した。 

 

 

 
 

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