( 298098 ) 2025/06/10 07:20:31 0 00 FORZA STYLE
令和6年、日本の出生数がついに70万人を割り込んだ。これは厚生労働省がかつて試算した予測を、実に14年も早く下回る結果となる。少子化の加速は、政府の想定を超えるスピードで進行している。
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この数字が意味するのは、単なる「子どもが少ない」という現象ではない。結婚、出産、育児といった家族形成のプロセスそのものが、かつての“当たり前”ではなくなってきていることを示唆している。
性教育アドバイザーの横田まほ氏はこう語る。
「若者の性体験の遅れは珍しい話ではなくなってきました。これに深く関連しているのがデジタルコンテンツだと私は考えています。動画やSNSを見ているだけで十分満たされているようで、恋人を作ろうとか、そういう気持ちにすらならないというのはよく耳にする話。あとは漫画や動画だけで満足という子どもや若者も多い。今は娯楽の選択肢が無限にありますから、性欲や恋愛欲がそもそも喚起されにくいのかもしれません」
こうした傾向は、個人の性の在り方の変化というより、社会全体の構造変化と切り離せない。
「根底には、経済的な先行き不安やキャリア形成のプレッシャー、親世代の過保護化などがあり、性や恋愛、結婚といったライフイベントが“リスク”と捉えられている側面があります。また、家庭形成よりも自己実現を優先する価値観の広がりも無関係ではありません」
今回取材をした女性は、まさにそんな若い世代の子どもを持つ母親だ。
「社会人と大学生、合わせて3人の男女の子どもがいるんですが、揃いも揃ってと今まで彼氏彼女がいたことがないんです。アプローチはあるみたいですが、断っているようで…。手前味噌ですが見た目も清潔感はありますし、性格も明るい。なぜなのか私にはよくわからなくて」
さらに気がかりなのは、性への興味のなさだ。
「自慰行為をしている様子もまったくないんです。親として確認するものではないとは思いますが、そういう兆しが一切ない。友人にも同じような話を聞くので、うちだけじゃないのかなとも思いますが…」
若者世代の性の価値観については 【関連記事「孫は絶望的」淡白どころか透明に近い性への興味。少子化が進む、本当の理由】でお読みいただける。
【取材協力】性教育アドバイザー|横田まほ 【聞き手・文・編集】常田真悠 PHOTO:Getty Images 【出典】【出典】厚生労働省|人口動態統計
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