( 298488 ) 2025/06/12 04:36:07 0 00 「コメ担当大臣」となった小泉進次郎氏 ©時事通信社
コメ高騰が続く中、小泉進次郎・農林水産大臣(44)の「500%」発言が議論を呼んでいる。6月5日の衆院農水委員会で、こう述べたものだ。
「社名は言いませんけども、コメの卸売の大手、売上高は対前年比120%を超え、営業利益は500%ぐらいです」
「ほかの大手卸も、営業利益は250%超えてますね」
そして、「やはりこういったことも含めて、よく! お考えいただきたいと思っています」と強調。流通過程の透明化に意欲を示した。
政治部記者は話す。
「確かに複雑すぎる流通過程に目を向ける議論は有用かもしれない。ただ、いきなり卸業者を“抵抗勢力”に仕立てる語り口は、『郵政民営化』を謳った父・小泉純一郎元首相(83)の“小泉劇場”を彷彿とさせました」
小泉氏の発言を受け、SNS等では「卸業者が暴利を貪っている」との投稿も相次いでいる。3週間前に就任してすぐさま、備蓄米を店頭にスピード配置した小泉氏だが、今回の発言はどのような意図に基づいたものだろうか。
「 週刊文春 」が事務所を通じて小泉氏に質問状を送ると、600字ほどの回答が寄せられた。
――「500%」発言の真意は?
「卸業者の利益構造について言及したのは、昨年と比べ2倍という米価の高騰を踏まえても、昨年比5倍という大きな営業利益を上げているのはなぜなのかという疑問を感じたからです。今後の米価高騰の要因検証の中でしっかりと分析をしていきたいと考えています」
――発言を受け、卸業者の利益は「不当」という声があります。
「国民の皆様が、お米の流通の中で、それぞれの段階でどのくらいマージンを取っているのか、といったことについて、いろいろと関心を持たれている中で、例示としてお示ししたものです。民間企業が適正な利益を上げることは必要であり、利益を上げずに安く流通させることを課すつもりはありません」
――米価高騰の調査をどのように実施しますか?
「米価高騰の要因の検証については、今後、米の安定供給等実現関係閣僚会議で行っていくこととしており、それに向けた実態調査をどう実施し、公表するのかについては、現時点で何か決まっていることはありません」
ところで、小泉氏が公の場で備蓄米を食べる姿はメディアでしきりに報道されているが、実生活でも食しているのだろうか。
――小泉大臣は、ご家庭でも備蓄米を食べていますか?
「まだ備蓄米が国民全体に十分に行き渡らない中で、私が購入するより一人でも多くの備蓄米を求める方に届いてほしいとの思いから、今は私が購入するタイミングではないと思っています」
――父の影響について。「備蓄米5キロ2千円」の単純明快なメッセージや、今回の卸業者を“抵抗勢力“に仕立てる政治手法は、小泉純一郎元首相と重なります。
「父の影響は私にとって大きいのは間違いありませんが、郵政と農政は全く違います。父も(私の)政治に口を出すタイプではありません。今後も自分自身の判断と責任で政策を進めてまいります」
――今後の方策について。海外からのコメを緊急輸入する?
「米価の高騰を抑えるためにあらゆる選択肢を排除しない、と申し上げたとおり、輸入米についても、必要があればどんなことでも行う用意があります」
そう回答する小泉農相。だが、「週刊文春」が「利益500%」の大手米卸業者の名誉会長に取材すると、こんな声が飛び出した。
「暴利を貪ったりなんかできないですよ。『500%』とか言われるのは心外だ」
“米卸のドン”が、直撃取材に約70分間語った「心外」な理由とは――。
6月11日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および12日(木)発売の「週刊文春」では、小泉氏発言に対する大手米卸の「反論」などを詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年6月19日号
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