( 299068 )  2025/06/14 05:28:40  
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「運転免許センターは、なぜ電車で行けない位置に設置されがちなのか」 

 

 これはネットやSNS上でも多くの共感を呼んでいる疑問です。 

 

 各地域に設置された運転免許センターの不便さの実態とともに、上記の質問を警察に聞いた際の回答を紹介します。 

 

画像はイメージ(画像:PIXTA)。 

 

 まず、各地域の不便さの実態について。 

 

 運転免許センターに行く機会があるのは、「免許を更新する際」と「免許を新規取得する際」の2つです。 

 

 更新であればクルマで行けばいいのですが、新規取得する段階ではまだ免許を持っていないため、公共交通機関あるいはタクシーで行くしかなく、駅から遠いのは大きな問題となります。 

 

 たとえば東京都の「府中運転免許試験場」は、JR中央線武蔵小金井駅や東小金井駅から徒歩30分、西武多摩川線新小金井駅や多摩駅からでも、やはり所要時間は徒歩30分ほど。 

 

 京王線からの徒歩での到達はもはや非現実的で、バスに乗るしかありません。 

 

 ほかにもSNSへの投稿では「栃木の鹿沼免許センターがまさにこれです…」という声が見られました。 

 

「鹿沼免許センター」は宇都宮と鹿沼の中間の「鉄道空白地帯」にポツンとあり、宇都宮駅からバスで30分以上、最寄りである東武日光線楡木駅からもバスで6km以上の道のりを行くしかないのです。 

 

 また京都府民にとっても運転免許センターは僻地であり、通称「羽束師(はづかし)免許センター」といわれる試験場は、JR京都線・阪急京都線・京阪からいずれも遠い、桂川沿いの鉄道空白地帯にあります。 

 

 到達にはバス移動が必須で、「もはや意図的に不便さを追求して作ったように感じる」とコメントしている人まで存在する状況です。 

 

 さらに「富山県の免許センターも最寄り駅から歩いて40分かかります…」という声も。 

 

 この「高岡運転免許更新センター」は高岡駅前ですが、試験場は旧JRの「東富山駅」から2km離れており、バスで行くなら富山駅から乗ることになります。 

 

 そのほかにも「青森は徒歩40分の場所にある」「岐阜県の免許試験場はバスでも40分ですよ!」「バスで20分の滋賀県はまだましなのか?」「神奈川の二俣川も遠いです」「もっと全国的に免許センターの数を多くしてほしい」といった意見が見られます。 

 

 

 では一体なぜ、運転免許センターはこのように不便な場所に設置されているのでしょうか。 

 

 この問題について警察OBに質問したところ、以下のように回答がありました。 

 

画像はイメージ(画像:PIXTA)。 

 

「運転免許センターは、建物自体がある程度の規模になってくるだけでなく、技能試験のためのコースを備える必要があります。 

 

 つまり広大な土地を確保する必要があり、どうしても住宅街から離れた郊外にならざるを得ないのです」(警察OB) 

 

 免許取得者の大多数は「指定自動車教習所を修了 → 試験場で学科試験に合格」というプロセスをたどりますが、未指定の教習所で教習を受けたり、いわゆる「一発試験」で免許取得する場合は、試験場で学科試験とは別に「技能試験」合格を目指すことになります。 

 

 そしてこのような「試験場で技能試験を受ける人」のために、運転免許センターには「試験用のコース」が併設されているわけです。 

 

 その結果、運転免許センターは公共施設の中でも有数の広大な施設となり、なるべく予算を抑えるために、地価の低い郊外に土地を確保することになる。そんな事情も見えてきます。 

 

 とはいえ、免許更新で利用するユーザー側にとっては、そのような事情は関係なく、不便なものは不便としか感じられません。 

 

 そこで、施設をよりコンパクトにしてアクセスを便利にした「免許更新センター」が各地で用意されています。 

 

 たとえば東京都では大手町駅北側に「神田運転免許更新センター」が、都庁内には「新宿運転免許更新センター」が設置されており、鮫洲や東陽町よりも鉄道アクセスが便利な立地となっています。 

 

 とはいえ免許更新センターが存在しない地域が大半であり、設置のない場合は残念ながら不便でも試験場に行くしかありません。 

 

 また、どうしても運転免許センターに行けない場合の措置として、最寄りの警察署で免許更新を受け付けている場合もありますが、その場合は「後日郵送」となってしまうデメリットもあるので、予定と見比べて使い分けする必要があるでしょう。 

 

パワーボム 

 

 

 
 

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