( 299513 )  2025/06/16 03:37:43  
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石破茂首相(STR via Getty Images) 

 

石破茂首相は6月13日夜、物価高への対応として、国民1人当たり2万円の給付を検討していることを発表した。子どもは1人当たり2万円、住民税非課税世帯の大人は1人当たり2万円が加算される。 

 

自民党と公明党の参院選の公約にするとしているが、SNSでは「石破総理、やっぱり配るんですか」(国民民主党・玉木雄一郎代表)や、「自治体に人件費も労力もかかる」(吉村洋文・日本維新の会代表)などと、批判の声も上がっている。なぜ2万円なのか、いつ給付されるのか、減税政策への考えはーー。13日の発表や報道などからまとめた。 

 

石破首相は13日、記者団に「物価高への対応は、消費税減税などの減税政策よりも物価上昇に負けない賃上げの実現が基本。しかし、賃上げが物価上昇を上回るまでの対応も必要である」と語った。 

 

消費税の減税についても触れ、「これまでの実績を見れば、決定から実施まで1年程度を要してコストもかかる」とし、「結果的に高額所得者に手厚くなる。決して適切であると考えていない」と説明した。 

 

そして、「決してばらまきではない」と前置きし、「本当に困っている人たちに重点を置いた給付金を、参議院選の公約に盛り込むよう検討するよう指示した」と語った。 

 

前述の通り、検討されている給付金は国民1人当たり2万円で、子どもと住民税非課税世帯の大人は1人当たり2万円が加算される。 

 

例えば、両親と子ども2人の家庭の場合は計12万円、住民税非課税世帯の両親と子ども2人の家庭の場合は16万円となる。 

 

また、石破首相は財源について、「適切に確保し、赤字国債には依存しない」と述べ、マイナンバーカードの公金受け取り口座を活用するなどして「地方自治体の事務負担をできる限り軽減することを併せて指示した」と語った。 

 

2万円という額に関しては、「家計調査をもとに食品に係る消費税負担額を念頭に置いた」といい、給付のタイミングは「今後適切に判断する」と言うにとどめた。 

 

なお、読売新聞によると、子どもの対象年齢については、自民党の小野寺五典政調会長が「18歳以下」とする方針を明らかにしている。 

 

給付の時期は、同党の木原誠二選挙対策委員長が「秋口が勝負」と、今秋以降を目指す考えを示したという。 

 

 

党首討論で質問に立つ国民民主党の玉木雄一郎代表(6月11日、国会内、時事通信社) 

 

給付金を巡っては、国民民主党の玉木代表が6月11日の党首討論で、「単年度でも税収の上振れ分を国民の皆さんに還元するような財政状況にはないという認識ですか」と聞いた際、石破首相は「現在そのような財政状況にあるとは認識を致しておりません」と述べていた。 

 

また、玉木代表は続けて「これ選挙の時にやっぱり現金を配るんですよね。税収の上振れがあった時は、その上振れ税収は自民党のものでも公明党のものでもないですよ。それは一生懸命働いている国民の納税者のもの」と指摘。 

 

その際、石破首相は「私どもは税収が自民党与党のものだなと思ったことは一度もございません。そのような侮辱はやめていただきたい」と怒りをあらわにした。 

 

しかし、朝日新聞が同日、「与党の給付案が判明」と報道しており、国民民主党の玉木代表は翌12日、この記事を引用して「石破総理、やっぱり配るんですか。そしてまた、住民税非課税世帯。その4分の3は高齢者。いつも、納税者や現役世代は後回し」とXで発信した。 

 

続けて、「上振れした税収は与党の選挙対策のお金ではない。納税者のものだ。減税で戻すのが筋。控除額を178万円に引き上げよう」と記述した。 

 

大阪府の吉村知事も6月14日、Xに「全国民に2万円配る事務は、自治体がやる。自治体に人件費も労力もかかる。必要な財源は、国民一人2万円+経費」と投稿。 

 

その上で、「それなら最初から取らなければいい。給料天引きされる社会保険料を下げた方がいい。社会保険料は今後も右肩上がりで上がっていく。国は人口減少化の社会保障制度を真剣に考えてもらいたい」と考えを示した。 

 

また、NHKによると、立憲民主党の野田佳彦代表は「選挙前にニンジンをぶら下げて詰めはこれからというやってはいけない動き。思いつきで対応しようとしている」と批判したという。 

 

ただ、同党も参院選の公約に、減税実現までの措置として国民1人当たり一律2万円の「食卓おうえん給付金」の支給を盛り込んでいる。 

 

 

 
 

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