( 299563 )  2025/06/16 04:34:33  
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■市場を「ジャブジャブ」に “小泉農政”に対する不満の声も… 

 

鹿児島市の一家。8日、初めて備蓄米を炊いてみました。 

 

尾辻柊斗くん(8) 

「いつもより若干甘いにおい」 

 

ふたりの息子は2杯ずつ完食。 

 

母・静香さん 

「子どもたちも食べるので、高くても買わないといけなかったので助かる」 

 

金曜日、30度を超える暑さの中、沖縄のスーパーにできた行列。県内で初めて販売された随意契約の備蓄米は、15分で完売。これですべての都道府県で随意契約の備蓄米が出回り始めたことになります。10日、小泉大臣は新たに20万トン分の放出を決定。コメが増えすぎて需給バランスが崩れないのか問われると... 

 

小泉進次郎 農林水産大臣(10日) 

Q.かなりじゃぶじゃぶに溢れて、危険な手法な気もするが… 

A.私たちとしては、これはじゃぶじゃぶにしていかないといけないんだ、それじゃなかったら価格は下がらない。 

 

緊急輸入の必要性にも言及している小泉氏。まずは毎年輸入が義務付けられているコメについて、今年は11月から9月に、時期を前倒しすることを決めました。 

 

小泉 農林水産大臣(12日) 

「できることは何でもやる。スピードを緩める段階には全くない」 

 

なりふり構わず市場価格を下げる姿勢。実際にコメの卸売価格は... 

 

隅田屋商店 片山真一社長 

「急に値段下がりましたよね。大量にコメをジャブジャブにしていただいて、市場を落ち着かせることはとても大事なことだと思います」 

 

卸売業者間の取引で、先月下旬には玄米60キロで5万円だった銘柄米が、12日には3万7500円まで急落したといいます。値下げの動きは小売店でも。安い備蓄米に押されて銘柄米の売れ行きが落ち、10%の値引きを余儀なくされた店もあります。 

 

スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明店長 

「(コメは)もともと利益をのせずらい商品なので、(値引き)10%というのはかなり痛手」 

 

「市場をじゃぶじゃぶに」という小泉大臣の思惑通りの効果が出ているのでしょうか。こうした中... 

 

農水省前(11日) 

「コメを守れ!コメを守れ!」 

 

農水省の前で行われた抗議デモでは、“小泉農政”に対する不満の声が... 

 

デモ参加者 

「備蓄米で物事を解決しようとしても、問題解決のほんの一部にしかならない」 

「100%自給できるコメを(国内で)作らせないで、アメリカから輸入するなんていうのは、全然筋が通らない」 

 

■“人件費を削って生産コストを下げる” 生産者の取り組み 

 

栃木県で先進的なコメ作りに取り組む農家。東京ドーム5個分の水田を2人で管理していて、新たにトラクターの自動運転を導入するといいます。 

 

岡田農園 岡田伸幸代表 

「GPSを受信してハンドル操作をしてくれる。自動運転装置ですね」 

 

人件費を削って生産コストを下げる努力。「コメ市場をじゃぶじゃぶ」にして価格を下げる小泉大臣に対しては... 

 

岡田農園 岡田代表 

「そもそもコメはじゃぶじゃぶあったんですよ。それを減反によって(生産を)抑えてきたのに、(長期的に)一体どういうことを考えてるのか我々にはもう理解できないです」 

 

農機具が高騰するなか、抱えた借金は1億円。 

 

岡田農園 岡田代表 

「これ(コンバイン)がですね10年前ですと、定価で1200万円程度だったんですよ。今ですと定価2200万円するんですよ」 

 

機材などの高騰で心配なのが、コメの価格が再び下がりすぎることです。 

 

岡田農園 岡田代表 

「(これまで)価格が下がったときには、政府は何もしてくれなかったわけですよ。ここに来て価格が上がった途端、備蓄米放出とかそういった対応をされる。もうちょっと生産者に目を向けて、制度を設計していただきたい」 

 

コメの消費者と生産者。共に納得できる対策が求められています。 

 

TBSテレビ 

 

 

 
 

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