( 299628 )  2025/06/16 05:42:26  
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備蓄米47都道府県で販売 “2000円宣言”から3週間 精米工場は依頼殺到でフル稼働 

 

 47すべての都道府県で備蓄米の販売がスタートするなか、今、課題にあがっているのが「精米」です。精米依頼が殺到し、フル稼働で作業する卸売業者を取材しました。 

 

 開店前、福岡市のイオンにできた長い行列。お目当てはやはり、5キロ2138円の備蓄米です。 

 

 あまりの人気に開店時間を早めてオープン。随意契約の備蓄米は、イオン九州の店舗では初めての販売となりました。 

 

購入客 

「パンとか麺ばかりだったので、久しぶりにコメをたらふく食べたい」 

「(普段は)4000円超える4500円とかなので、ありがたいです。ちょうど、きのうコメがなくなって」 

 

小泉進次郎農林水産大臣(先月23日) 

「6月の上旬、2000円の備蓄米を店頭で見ることができる」 

 

 あの「コメ2000円」宣言から3週間、ついに沖縄県石垣市でも備蓄米の販売を始めました。 

 

小泉農水大臣(13日) 

「沖縄も店頭販売が始まると聞いている。47都道府県すべてに随意契約の備蓄米が行きわたる」 

 

 沖縄での販売が始まったことで、全国の店頭で備蓄米が流通したことになりました。 

 

子ども 

「これからちょっと、おコメが安くなったらいいなと」 

 

 ただ、備蓄米が行き渡ったと実感できるにはまだ時間がかかりそうです。 

 

 13日、小泉大臣と面会した大手小売り各社のトップからは精米についての課題が指摘されました。 

 

セブン-イレブン 阿久津知洋社長 

「一番、課題を感じているのは精米について。逼迫(ひっぱく)しているというのが現状」 

 

 そのため、現在、8月とされている販売期限の延長を求める意見が相次ぎました。 

 

 課題となっている「精米」。その現場は、今どうなっているのでしょうか? 

 

 「ナカムラ米販」では、1日15トンの精米を行っていますが、随意契約の備蓄米の依頼を受けて以降、10トン精米の量を増やしたということです。 

 

 大手スーパー向けに備蓄米を精米する卸売業者。現在は、備蓄米の精米を優先し、空いた時間で通常の精米作業を行っています。 

 

ナカムラ米販 中村貞昭社長 

「(Q.どんな感じで精米作業しているか)先週は、朝入荷してその日のうちに精米して、夕方には店頭に並べるというペースだったので。通常の仕事が押せ押せだったり、みんなには残業手伝ってもらったりしてこなしましたけれども。今週に入ってだいぶ玄米の搬入も落ち着いてきて、今は慌てずにできています」 

 

 ただ、最初は精米する過程で備蓄米ならではの苦労があったといいます。 

 

「備蓄米は乾燥していて硬い。通常の精米をすると割れやすい」 

 

 通常より圧力を弱めて米ぬかを取り除く必要があり、当初は人がつきっきりで見守っていました。 

 

「これが色彩選別機。コメに色がついたものをはじく機械です」 

 

 光を当て、色合いの違うコメをはじく機械でも備蓄米に適した設定を探るのは手探りだったといいます。 

 

「あの機械ではじかれたのがこれです。精米しないと分からない」 

 

 現在は、スタッフを増やしフル稼働の状態、これ以上、取り扱いを増やすことは難しいのが現実です。 

 

「(Q.社員の皆さんにはどう対応すると言った?)一時ですから(新米が出る)8月までの短期間の勝負。めったにないことだから、しっかりとやっていくことが大事だと」 

 

 

 こうしたなか、小泉農水大臣は10日に備蓄米の追加放出を表明しました。 

 

「新たに令和3年産10万トン、令和2年産10万トンの計20万トンを売り渡すことといたします。ジャブジャブにしていかなきゃいけないんだと、そうじゃなかったら価格は下がらないと」 

 

 狙い通り、コメの価格は下がるのでしょうか。 

 

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 

「値段が今(1キロ)915円以上のものばかりしかない」 

「(Q.どういう電話だった?)(客から)品ぞろえの話と価格ですね」 

 

 横浜市にあるこちらのコメ店は、もともと品ぞろえの豊富さがウリでしたが、まだまだ元通りとはいかないようです。 

 

 こちらのコメ店では普段およそ120の銘柄を扱っているということですが、今は7銘柄に限られているということです。 

 

 多くの米びつがすっからかんの状態ですが、ここにきて少しずつ変化が現れてきました。 

 

荒金代表 

「こちらが先週問屋さんから入ってきた納品書です」 

「(Q.2つの銘柄が今回入荷できた?)そうです」 

 

 随意契約での備蓄米が出始めた先月末、これまで在庫が全くないとしていた卸売業者から、急に銘柄米を仕入れることができたといいます。 

 

「『一袋でもいいので分けてほしい』と常々連絡を取り合っていて、6種類が出たということでびっくりしました」 

 

 ないはずのコメが、突然出てきたのはなぜなのでしょうか。店主はこう分析します。 

 

「備蓄米がここまで順番にどんどんどんどん出てくるとは、私は思っていなかったので、ここまで急激に増えると、米価は5キロで4200円から3000円台に下がってくるのではないか。あと2〜3カ月すると新米が出てくるから古米になる。そうするとやはり問屋も売りづらい」 

 

(「グッド!モーニング」2025年6月15日放送分より) 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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