( 299863 )  2025/06/17 05:06:17  
00

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより) 

 

 6月13日、全国に200店舗を展開する大手ラーメンチェーン「来来亭」の浜松幸店が提供した商品に小さな虫が混入していた件で、株式会社来来亭が公式サイト上に文書を掲出する形で、調査結果を公表した。飲食業に詳しいライターが解説する。 

 

「騒動の発端は、6月9日、X(旧Twitter)に投稿されたラーメンのチャーシューの上を、虫のようなものが数匹這って移動している様子が映された動画が拡散されたことでした。投稿主は〈昨日来来亭でラーメンを食べようとしたらウジ虫が…お気に入りの店だったので残念です〉とのコメントを添えていました。現在、拡散のもとになった動画は削除されています」(飲食業に詳しいライター) 

 

 NEWSポストセブン取材班は、騒動を受けて無期限の臨時休業を発表した浜松幸店を訪れていた。男性店長が対応に追われているなか、取材に応じ、「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」など、その時点で判明していた事実を記者に対して誠実に語っていた。 

 

 今回の調査結果では、時系列も含めた詳細な内容が公表された形となる。 

 

「調査結果によると、客から『小ラーメンに異物が混入している』との指摘を受けたのは6月8日午後6時ごろで、その後、従業員が具材を別容器に取り分けたうえで複数回⽬視での確認を試みたが異物の存在を確認できず、商品を廃棄したとのことです。 

 

 本部は、6月9日にSNS上で投稿された動画で異物混入を認識し、直ちに店舗の特定と調査に着手したといいます」(同前) 

 

 混入した害虫については、所管の保健所や専⾨業者の協⼒のもと調査を行ったところ「ネギハモグリバエ」もしくは「センチニクバエ」だった可能性があるものの〈特定には⾄りませんでした〉としている。 

 

「『ネギハモグリバエ』は、幼虫・成虫ともにラーメンのトッピングに使用されているカットネギなどに付着する害虫です。来来亭の発表によると、浜松幸店で使用されたネギの検査では付着が確認できず、また取引業者や工場でも調査を行ったようですが、付着は確認できなかったとのことです。 

 

 一方、『センチニクバエ』はチャーシューなどの動物性食材を好み、幼虫を産みつけることがある害虫です。チャーシューを炊き上げた後冷ましている間、またはチャーシューをカットした後盛り付けるまでの間、または提供から食事までの極めて短時間の間に産み付けられた可能性があります。 

 

 こちらも、保健所によって調査を行ったとのことで、チャーシューの調理から注文を受けて提供するまでの流れを確認してもらったところ、店舗で生の肉を形成してからチャーシューを炊き上げるため、生肉からの混入はあり得ないとの回答を得たとのことです」(同前) 

 

 その他の食材に付着していた可能性については、来来亭の発表によると〈完全に否定することはできません〉とのことだが、〈各仕⼊れ業者にヒアリング等によると、⽣⾁に寄⽣⾍が付着した状態での出荷はあり得ないとの回答を得ています〉といい、可能性は極めて低いとしている。 

 

 来来亭が打ち出した再発防止策は2つ。「衛生管理の徹底」と「各店舗への指導の徹底」だ。具体的には〈チャーシューを冷ます時間に必ず放冷可能なカバーをかけること、以前にも増してチャーシューの切り置きを⾏わないことの周知を実施し、短時間であっても全ての容器に蓋を付けることの指導及び監督を徹底する〉ことや、〈全店舗に衛⽣管理研修を実施〉することを挙げた。 

 

 また、6月19日には、店舗衛生および環境美化の更なる向上を目的として、全店舗一斉の臨時休業日とすることを公式サイトで発表した。 

 

 多くの人に愛されるラーメン屋である来来亭。信頼回復に期待したい。 

 

 

 
 

IMAGE