( 299868 )  2025/06/17 05:12:09  
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 EVの特性として「充電に相応の時間がかかる」ことが挙げられる。BYDはかねてから「充電時間を給油時間並みにする」と公言してきたが、いよいよそれが実現しそうだ。充電時間短縮はもちろん、性能でも価格でも桁外れのEVが登場する!? 

 

※本稿は2025年4月のものです 

文:角田伸幸/写真:BYD ほか 

初出:『ベストカー』2025年5月10日号 

 

 中国のBYDは、かねてから「EVの充電時間を給油並みにする」と公言してきた。いよいよそれが実現するかもしれない。 

 

 2025年3月17日、同社は王朝シリーズのフラッグシップとなる「漢L」「唐L」を公開した。前者がセダンで後者はSUVだが、どちらもBYDが今後10年を見据えて開発した新型プラットフォーム「超級e平台」を使っている点は同じだ。 

 

 その充電能力だが、量産EV初の1000kW充電に対応した。バッテリーの詳細は非公表だが、充電1秒あたり2km分の電気が貯められ、たった5分で400km分の充電が可能だという。充電効率を示すCレートは前代未聞の10C。理屈ではわずか6分で満充電になる計算だ。 

 

 とはいえこの性能を発揮するには、設備側にも備えが必要。実は漢L、唐Lには車体両側に充電ポートがあり、双方から同時充電ができる。前述の短時間充電を行うには、500kW級の充電器を2基同時に繋ぐ必要があるわけだ。 

 

 とんでもないクルマだが、実はこの2台、動力性能もすさまじい。搭載するモーターの最高回転数はなんと3万511回転!テスラ モデルSプラッドが2万回転と聞けば、その凄さがわかるだろう。結果、セダン版の漢Lの0-100km/h加速は2.7秒、最高速度は実測値で305kmに達する。 

 

 しかも漢L、唐Lは安い。たとえば漢Lのベースモデルはたったの27万元(約553万円)。高性能のたたき売りである。 

 

 中国車のスペックには驚かなくなったが、この2台のコスパは圧倒的。とりわけ充電時間の短さは、EV停滞を吹き飛ばすゲームチェンジャーになるかもしれない。売れゆきに注目。 

 

 

 
 

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